財務・会計コンサルタントへの転職を成功させるためには、まずその仕事内容と求められる適性を知り、志望動機を書く必要があります。ここでは仕事内容と適性、志望動機の例文、この3点をお伝えしていきます。
財務・会計コンサルタントの仕事内容とは
財務・会計コンサルタントとは、コンサルタントの中でも財務・会計分野に特化したコンサルタントです。いわゆる「ヒト・モノ・カネ」と呼ばれる経営資源のうち「カネ」の面からのコンサルティングを行います。顧客の資金の状態を観察、分析し、改善策を提示するとともに帳簿や報告書類そのものを正しく、そして早く作成するためのアドバイスを行うことで、決算報告にかかる時間=コストの削減を支援します。特に中小企業の設備投資においては、国からの補助金制度を利用できるケースもあるため、申請に沿った事業計画を立てたりすることもあります。家庭に例えてみると、家計簿を正しく簡単に継続的に付ける手助けをしたり、家計簿を見てムダやムリな点はないかをチェックし、あればそれをどのように改善していくのかを提示したりします。また、国や地方自治体などからの各種手当が受けられる家庭なら、漏れなく受け取ることができるようアドバイスするということになります。財務・会計コンサルタントという言葉の響きから難しい職種だと思われがちですが、目に見える数字を基にコンサルティングを行うため、当初は知識や経験がなくても、学びながらキャリアを積んでいくことができます。英語をはじめとする語学力は海外関連会社とのやりとりの上で大変重宝されますし、財務・会計に関する資格があれば会計監査に関連する業務において活躍が期待されますので、いずれも今からでも習得して損はありません。
財務・会計コンサルタントに求められる適性とは
ポイント1.スキル面での適性
顧客と直接向き合う職種ですので、まず大前提としてコミュニケーション能力が求められます。相手に納得してもらう必要があるので根気よく丁寧にコミュニケーションが図れる高いスキルを持った人に向いています。また、論理的思考も求められます。経営に関する数字を観察、分析して問題点を発見し、解決策を提示するためです。公認会計士や簿記1級など高度な資格を保持するコンサルタントも多くいますが、絶対条件というわけではありません。ただし、キャリアを積む中で資格取得を求められる場合もありますので、日常から勉強は進めていかなくてはなりません。また、海外資本が絡むこともありますので英語などの外国語のスキルがあればアピールできます。
ポイント2.経験面からの適性
経営資源のうち「カネ」を扱う財務・会計コンサルタントという職種は、どうしても経理部門経験者が好まれる傾向にあります。それは「会社の数字」を見慣れているからです。逆を言えば会社の数字を見慣れてしまえば、あとは同じです。どのような職種経験であっても、その職種での問題点の分析、改善策・解決策の立案の経験があれば、充分と言えます。経理部門での仕事が未経験であっても、「会社の数字」に関する知識を吸収し蓄える能力が高い人には向いています。また、経理部門に限らず事務職の経験がある人なら、自身の事務処理能力の程度を把握できているでしょうし、その能力が高い人は適しています。
ポイント3.志向性面からの適性
この職種は、数字に強くなければならないというイメージがありますが、実は必ずしもそうでもありません(もちろん弱いより強い方がいいのですが)。必要なのは数字を読み解くことですので、何と言っても根気が必要です。問題点はないか、というよりも問題点があって当然という目線で物事を考えることができるかどうか、問題点を発見できるまで諦めることなく数字に向き合えるかどうかが重要です。また、問題点を解決するにあたり、課題を細かく砕いて提示するという考え方を持っているかという点も問われます。たとえ未経験者であっても、常に物事を多面的かつ深く考えるという性質を持ち、集中力が高い人は適性があると言ってよいでしょう。
財務・会計コンサルタントの志望動機例文?24才女性の場合?
私は大学で経済学を学んだあと一貫して経理部門で勤めて参りましたが、対外的な仕事でお客様に直接携わる職種に就きたいと考え、貴社の財務・会計コンサルタント職を志望いたしました。経理部門において日商簿記2級を取得したり決算業務などに関わったりして会社の数字を見慣れているとはいえ、財務・会計コンサルタントとなると全くの未経験者です。しかし、数字を読み解き、問題点を発見し、改善策を提示することでお客様の業績向上の手助けができるという仕事に大変興味を持ちました。私は今後の人生において予想される結婚、出産、育児でキャリア形成の中断や断念をすることなく継続して勤めたいと考えておりますが、貴社では出産や育児を経験された多くの女性社員が第一線で活躍されていると知り、それを可能にした貴社の方針に深く共感いたしました。財務・会計コンサルタントとして幅広い業務に携わりながら経験を積み、貴社に大きく貢献できるよう今後も継続して学んでいく所存です。
彼女のアピールポイント
アピールポイントとしては経理職経験者であり、簿記の資格を持っていることが挙げられますが、財務・会計コンサルタントの中にはさらに高度な経験や資格を保持している人が大勢います。24才女性であることから、未経験者でもキャリアを積ませてあげたい人材となり得ますのでここは軽く触れるだけにしておき、学ぶ姿勢を織り交ぜながら謙虚さをアピールします。ただし、当然資質は問われますので財務・会計コンサルタントとして何をしなければならないか、つまり数字を読み解き、問題点を発見し、改善策を提示し顧客の業績向上を目指す職種であることを充分に理解していることが大きなアピールポイントとなります。また、相手にとって人材を育成することは投資である以上リターンがなくてはなりません。女性だからと言って会社に貢献しないまま辞められるのは大変な損害です。そのためいわゆる「腰かけ」ではないことは強調するべきポイントです。