戦略コンサルタントへの転職を成功させるためには、まずその仕事内容と求められる適性を知り、志望動機を書く必要があります。ここでは仕事内容と適性、志望動機の例文、この3点をお伝えしていきます。
戦略コンサルタントの仕事内容とは
戦略コンサルタントとは、戦略というアプローチ方法を用いて顧客の問題点を発見し、その解決策を提示して顧客の業績向上の手助けをする仕事です。他の分野のコンサルタントとの違いは、「相手」を想定して問題や課題の解決策を立てていくという点です。「相手」とは同業他社であったり、自社の異なる側面であったりします。動向や形態、問題点の観察において「相手」と「自分」との比較が前提ということです。たとえば「ブルーオーシャン戦略」というものがあります。これは「相手」と「自分」のそれぞれの特徴や強みを比較して、真正面からぶつからない市場を攻略していく戦略ですが、戦略コンサルタントは顧客に対し他社との差別化を図れる商品の開発やサービスの強化を提案することによって顧客の業績向上を支援します。なお、戦略コンサルタントの中にはMBAを取得したという大勢の人材がそれを活かして活躍しています。ないからといって即ちアウトではありませんが、足りないものがあれば今すぐにでも準備にとりかかるべきでしょう。
戦略コンサルタントに求められる適性
ポイント1.スキル面での適性
戦略コンサルタントには、他の分野のコンサルタント以上に「相手」を観察する能力が求められます。「相手」が同業他社などの企業の場合は分かりやすいのですが、難しいのは「市場」を読むことです。つまり戦略コンサルタントにとってマーケティングのスキルは大変重要であり大きな武器です。顧客が扱う商品において、その商品のユーザーの年齢や性別を調査するスキル、その商品がどのような場面で使用されるかなどを観察するスキル、さらに客層や使用場面が広がる可能性はないかを探るスキルが必要です。現状を観察するスキルとこれから先の時流を読むスキルをあわせ持つ人には適性があると言えるでしょう。
ポイント2.経験面での適性
戦略コンサルタントには、「戦略コンサルタントとしての経験」はあまり重要視されません。現職においてどのような経験を積んで何を得てきたのかが大切です。その経験を戦略立案にどう活かせるのか、マーケティングにおいてどういう視点が持てるのか、今一度洗い直してみましょう。たとえば営業職に就いているのなら、顧客に商品やサービスを提案する際、今ある課題の解決だけではなくこれから先を想定してさまざまな展開ができるような提案をしてきたという経験、目の前にある顧客だけでなく市場全体を観察しこれから先顧客になり得る層を発見した経験があるという人などは戦略コンサルタントとしての適性があると判断してよいでしょう。
ポイント3.語学力・資格面での適性
前述したように、戦略コンサルタントとして活躍している人の中には、語学に長けている人、MBAを保持している人など高度な知識を持ち合わせている人が大勢います。けれども彼らが評価されるのは、それらを「持っているから」ではありません。語学力や資格を持つために勉強を続けることができたから、そして活かし続けるために日々アップデートをしているから評価されるのです。語学力や資格を持つために自ら学び続けるところに戦略コンサルタントとしての適性があると判断されるのです。
戦略コンサルタントの志望動機の例文?31才男性、メーカー営業職の場合?
私は時流や市場、競合相手の動向を読み、最適の経営戦略を提供し支援することによって、多くのお客様に喜んでいただける仕事をしたいと考え戦略コンサルタントを志望いたしました。私が戦略コンサルタントへの転職を決意したのは、あるお客様の一言がきっかけでした。そのお客様とは〇〇(商品)を購入していただいたことからお付き合いが始まったのですが、ある時「〇〇(商品)を取り入れたことで、わが社の状況は良くなったのだがすぐにライバル会社に追いつかれてしまう。競争することは悪いことではないが、その繰り返しでもう疲れてしまった」と仰ったのです。もちろん私は自社製品が売れればそれでいいと考えていたわけではありませんでしたが、結局は売っただけだったことに気付いたのです。その後ライバル会社の〇〇(商品)にはないアフターサービスを追加することを提案し、価格ではライバル会社、アフターサービスではお客様の会社というすみ分けを成功させ、大変喜んでいただきました。31才という年齢が決して良い条件ではないことは重々承知しております。勤めながらMBAを取得する際も正直に申し上げて苦心いたしました。それでもどうしても戦略コンサルタントとして勤めたいと考えていたところ、貴社では幅広い年齢層の方がさまざまな職種から入社され活躍されていると知り、また顧客満足に大変にこだわる貴社の方針に深く共感した次第です。
彼のアピールポイント
彼の最大のアピールポイントは、現職での経験です。ただ営業職として長く勤めてきただけでも商品を売ってきただけでもなく、顧客へ自社商品にプラスした提案をして問題を解決したという経験は、大きく評価できるところです。31才という年齢がネックになること、MBAにふさわしい能力がないかもしれないことなど自身の問題点を把握し認識していることから問題発見能力に長けた人物であると判断されるでしょう。また、現職が全くの畑違いであるのにMBAを取得してまで戦略コンサルタントを志望する熱意と強い想いを持っていること、小手先のテクニックを乱用する人物でないことも、彼の大きなアピールポイントです。