ひと足先に選ぶ次世代のMVE : 小牟田啓博
世界的なデザイナーとのコラボでヒット商品を開発 早速、小牟田は航空機の内装で世界的に注目されるデザイナーのマーク・ニューソンや、多摩美の先輩である著名インテリアデザイナー、深澤直人らに会いに行きデザインを依頼。数え切れないくらいの打ち合わせと、メーカーの説得を繰り返し、やっと商品化されたのが『INFOBAR』や『talby』などの大ヒット商品だ。 メーカーの枠を超えた発想からなるデザインは、内外から大きな反響を得る。携帯のデザインプロデューサーという、業界の革命児が誕生した瞬間である。小牟田の活躍がきっかけとなり「携帯はデザインを楽しむ時代」という流れが生まれた。しかしその一方で、小牟田は携帯電話だけに拘泥することなく、更なるフィールドを求めて独立をする。 「ソフトバンクの方と意気投合し、独立という形で同社のデザインプロデュースを請け負うことになったのです。しかし、この独立は僕にとって携帯を超えるフィールドに出る第一歩。世の中には、デザインで選べない製品の市場がまだまだいっぱいある。そんな市場に次から次へと着手していきたい」 住空間から食べ物と小牟田の意識は無限大に広がっている。現在は、ソフトバンクの携帯、フルフェイスシリーズを中心に、ラジコン送信機のデザインや空手道場のデザインワークをこなす日々。 「技術者が仕事の幅を広げるには、複数のアングル(視点)が必要。色々なモノを見て興味の対象が多いと、どこかで必ず仕事とリンクする。だから、食わず嫌いではなく何でもやってみることです。僕は自分が作ったモノを、人がどんな思いをもって手に取るかと考えると、とっても楽しくなるんです」 独立して無限のフィールドを得た小牟田の挑戦は、まさに始まったばかりだ。 |