「転職で年収を上げるためには、確固たる方程式があるんです」
そう語るのは、ヘッドハンティングや人材紹介業を手がけるクライス&カンパニー代表取締役社長の丸山貴宏氏。本人が努力してスキルの研鑽に励むことは大前提だが、特に転職に際しての年収は、それ以外の要素が組み合わさって算出されるのが一般的だという。それを図示したのが、下記に述べる方程式。やみくもに努力を重ねても年収や評価という形で報われるわけではないのが転職の実状のようだ。
“見えない給与”に着目しよう
ただし、この方程式で注意すべき点は、実際に金額で表せる“見える給与”のみを対象としているということ。特に若い年代の技術者であれば、見える給与のほかに“見えない給与”を得られるかどうかは重大な問題だ。
「“見えない給与”とは、仕事で身につく経験値や人脈、同僚や社風から与えられる影響などが挙げられます。一般的に、入社して間もないうちは、見える給与より見えない給与のほうが高いもの。しかし経験を重ねるうち、見えない給与はどんどん減っていく。この、見えない給与の目減りが大きくなってきたときこそ、転職活動を始めるサインだといえるでしょう」
もし自分の年収が適正かどうか迷ったときは、人材コンサルタントに相談することを薦めるという丸山氏。
「転職のプロから客観的なコメントをもらう最大のメリットは、漠然とした不安が解消されること。そうすれば今の仕事にも安心して打ち込めるでしょう」 |