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レガシーシステムのオープン化には、@全システムを刷新する方法とA徐々にリプレースする方法の2通りがある。Aの場合はいくら万全を期したとしても、テストしてみるとレガシーシステムとオープンシステムとの連携で“ズレ”が生じることが珍しくない。そのズレの理由を見極める解析作業こそが肝心になる。 |
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ATSは中国・大連にデリバリーセンターを有するが、オフショア開発で難しいのが進捗管理。そこでコミュニケーションエラーを防ぎ、品質や納品日を厳守するために用いられるのがイテレーション開発だ。発注?納品を数段階に分け、そのつど開発プロセスを文書化して共有することで、徐々に開発精度を高めていく。 |
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アクセンチュアグループが持つ過去のプロジェクト事例を自由に閲覧できるため、困ったことがあれば独学で対処法を学べるのがATS社員の強み。またプロジェクト管理の方法について、同社にある「SDO(ストラテジック・デリバリー・オフィス)」の担当者が適宜相談に乗り、アドバイスをくれる仕組みもうれしい。 |
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30年近く稼働してきた、某証券会社のレガシーシステム。何人ものSEの手が加わっており、システムの全体像を把握する人は皆無に等しい。オープン化を推進していくアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ(以下ATS)の近藤修史氏は、さすがに途方にくれたという。
「そこでまずはクライアントのベテラン社員へ徹底的にヒアリングを行い、彼らの頭のなかにある『現在のシステムの姿』を顕在化させる作業から始めました。相手は長年、メインフレームと共に歩んできた大先輩のエンジニアばかりなので、コンサルティングというスタンスで変に構えたりせず、自ら足を運んでどんどん話を聞きにいき、お客様と共に作っているんだという姿勢を表すようにしていました」
こうした努力の末、2005年7月に立ち上がったプロジェクトは年内に詳細設計を終え、年明けからJavaを用いたアプリケーション開発がスタート。近藤氏はこの段階でアプリチームのリーダーとなった。
それまでリーダーを務めていたPMが、プロジェクトのなかで育ててきた近藤氏に開発のリーディングを委ねたのだ。
「中国・大連でのオフショア開発をコントロールするのが大変でしたね。しかし、発注を何段階かに区切る『イテレーション開発』を繰り返すうちにスピードが向上。コミュニケーションフローが増える分、すべてを記録に残し、プロセスを明確化しました」
その際、支えとなったのが同社の「SDO(ストラテジック・デリバリー・オフィス)」。進捗状況や見通しをプロジェクトの外側から監視し、アクセンチュアグループがワールドワイドで持つ豊富なプロジェクト事例をもとに課題解決に向けたアドバイスをくれた。
「若手にもどんどん仕事を任せるのがATSの風土。社内にある幅広いナレッジを吸収しながら1歩ずつ成長していけるので、プロジェクト全体を見て“正しい開発手法”を習得したい人には最適な環境ですね」 |