あまたある技術のなかから顧客に対して最適なサービスを選び出し、提案できるコンサルタントになりたい。そのためにも、幅広い技術知識を身につけなければ――そう考えていた大崎淳氏は今年3月、新たな職場として日本ヒューレット・パッカード（以下日本HP）を選んだ。

「転職先選びの際は、まず高度な技術力を持つ会社かどうかを確認していました。そしてもうひとつ、今回の転職で私が重視したのは職場環境。日本HPに入社を決めたのも、面接に訪れたときに通路で社員同士が楽しげに仕事の話をしている姿を見て、とても印象に残ったからなんです」

大崎氏がこの2つを軸に企業探しをしていたのには理由がある。前職のSIerはメーカー系列ゆえに携わる製品の種類が限られており、しかも見積もり算出など開発以外の業務に追われることが多かった。そこでもっと深く技術を学ぶ場として、ネットワークやサーバに関する最先端技術を数多く持ち、教育制度も充実している日本HPに目をつけたという。

では、職場環境を重視していたのはなぜなのか？ そこにこそ、大崎氏のこだわりがあった。



「前職時代、同僚と『こういうサービスを作りたいよね』と話していても、日々の業務の忙しさに追われて実践することができなかったんです。その経験から、本気で技術知識を深めていくためには、お客様に対してどんな技術を提供するのがベストなのかを考え、実践できる環境も必要だと思うようになっていました」

面接のときはこの環境面を確認すべく、どんな流れで仕事を進めているのかなどを細かく質問した大崎氏。そこで聞いた内容と通路で見た光景で、職場環境のよさを確信したのだという。実際、現在所属している通信・メディアグループでは自然発生的に技術討論会が行われるなど、メンバー間での情報交換が盛んだ。

また、新しい技術について導入の可能性を探っていると、「じゃあ検証環境を作ってみよう」とすぐに実機検証がはじまることもある。

「こういう環境に身を置くと、自分も旬な技術を積極的に学んでいこうという気持ちになりますからね。前職時代はスキルアップに関しても受け身なところがあったので、気持ちの持ちようが変わったことが、今回の転職の一番のメリットだったかもしれません」