オリジナルの技術でヒット製品を生み出すのがトレンド発信メーカーだと定義するならば、その対極にいるのが“後追い”メーカーと呼ばれる企業だ。市場の牽引役となる製品や技術が生まれると、すぐによく似た機能や性能を持った追随製品が次々現れるが、そうした製品を作るのが後追いメーカーである。
「後追いメーカーの現場には顧客のし好の変化や市場の動向といった最新情報が入ってきませんし、体制や組織もマンネリ化しがち。向上心のあるエンジニアにはつらい現場です」(井上氏)
こうしたメーカーに所属していると、市場で認められる製品を作りたいと考えながらも、「どうすることもできない」と現状に流されてしまうことも……。何よりエンジニアとしてのキャリアを考えたとき、その現状に慣れてしまうことは大きなリスクだ。井上氏は続ける。
「たいていの後追いメーカーでは、開発方針や開発体制が明確になっていないので、ヒット製品が出ていないにもかかわらず妙に忙しい。そうした状況が続くと、どんなエンジニアでもモチベーションを保つのが難しくなってしまうのです」
そんな悪循環にはまっているエンジニアの悩みも、トレンド発信メーカーで働くことで解決できる。その具体的なメリットを詳しく見ていこう。 |