自分に合ったトレンド発信メーカーを探すには具体的にどうすればいいのか? まず、「Webや雑誌の情報だけで企業を判断するのは避けるべき」と井上氏は語る。「新たな製品開発に成功した場合など、企業はそれを積極的に公開しますから、その動向をウォッチしておくべきですが、職場としてどうかという判断基準はまた別に持つべきです」と指摘する。そこで井上氏が挙げるのが、業界団体などが開催する技術展示会。企業がブースごとに、研究成果を発表するイベントだ。
「展示ブースの技術説明役には開発に携わったエンジニアが担当していることがよくあります。1対1ならセミナー講演では聞けないような生の現場情報が手に入れられるはずです。製品のことだけでなく、開発体制や職場の雰囲気、技術力を試すような質問もいいでしょう。その会社の何かが感じ取れるはずです」
一方、新井本氏は興味や関心の持っている企業の経営戦略に注目することを提案する。
「トレンド発信を目指す企業なら新規事業のための部署を設けたり、異なる業種の企業を買収したりと何らかのアクションがあります。そのアクションにつながった背景を過去の企業動向などから考察することにより、経営者の考え方も透けて見えてくるでしょう。製品ばかりでなく、企業の考え方や将来像を確認できればベストですね」
特に大手企業が新規事業のために子会社や部署を設ける動きには要注目と井上氏も語る。設立当時は規模も小さく注目度も高くないかもしれないが、その後、独自の技術や製品が新たなトレンドとなって急成長したメーカーは数多い。大規模な組織になってしまうと採用は厳しくなるが、発足当初ならポテンシャル重視など採用ハードルが低めの場合も多い。このタイミングを逃さないことが大切だ。 |