松下電器産業株式会社は2008年10月1日よりパナソニック株式会社へ社名変更いたしました。
| いま、自社の研究開発からヒット製品を生み出しているトレンド発信メーカーはどこか。いくつかの市場について、各ジャンルの業界通に聞いてみた。 |
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「環境」と「安全」が各メーカー共通のテーマ。国内市場の主役は引き続きハイブリッドエンジンだ。技術のトレンドセッターはやはりトヨタ自動車。系列の部品メーカーと共同で燃費の良いエンジンを生み出している。また、レクサスブランドのフラッグシップモデルには、ステレオカメラとミリ波レーダを組み合わせた最新のプリクラッシュセーフティシステムを搭載。高い精度で歩行者や障害物を検知できる安全性能を実現し、技術力を見せつけている。
カーナビ・AVN製品ではITS関連の通信技術が注目される。現在、ITS通信には電波ビーコン、光ビーコン、FM多重など複数の通信規格が乱立しているが、国土交通省は07年から始まる新VICSでDSRCの採用を決定。双方向通信によるより高度な渋滞情報に加え、駐車場やドライブスルーでの自動料金支払いを可能になる。この分野で先行するのは松下電器産業と三菱電機。両者ともインフラ系通信技術を手がけてきており、その技術的蓄積が強みにつながっている。
パネルの生産能力がそのまま製品力に直結するのが液晶テレビ市場。その点で抜きん出ているのがシャープだ。商品企画からの高い要求を実現でき、かつ、商品を幅広くラインナップできる生産力が市場シェアトップの主因。画質という点で評価が高いのは東芝。その要因は映像エンジン「メタブレイン・プロ」にある。階調性に優れた高ビット処理パイプラインや豊富な画質調整パラメータが生み出す画質調整のクオリティは専門家からも高く評価されている。
プラズマテレビには液晶テレビ以上にパネルの開発力の差が製品力に表れる。現在、市場を席巻しているのが松下電器。業界最高の暗所コントラスト約4000:1を実現する映像エンジン「フルハイビジョンPEAKSパネル」や、シーンに適応したノイズ検出/低減処理を実現する「HDオプティマイザー」など新技術を次々に開発。新工場を作るなど、開発力・生産力ともに群を抜く。競合メーカーは松下電器の動向を見ながらの製品開発となっている。
コンパクトカメラ市場の拡大がストップしたいま、技術開発の主戦場は一眼レフカメラ市場に移っている。撮像素子にCMOSを初めて搭載し、エポックメイキングな映像エンジンといわれた『Disic』を開発したキヤノンが市場をリードしている。光学系技術も含め、ほぼすべての部品を内製化しているため、技術的蓄積でも他を圧倒的している。デジカメ機能を搭載する携帯電話向けコンパクトレンズモジュールでは、京セラが懐の深い技術力で独自の存在感を放つ。
光ディスク媒体はDVDからBlue-ray Disk(以下BD)、もしくはHD-DVDへ移り変わっていく。そこで開発競争の舞台となるのが、録画/再生機器の分野。技術力で先んじているのはソニー。ビデオカメラでハイビジョン映像をリアルタイムでエンコードできるチップを開発するなど、映像記録に関する半導体では最先端といわれている。『Play Station2』開発時から行ってきた莫大な投資がいま実ってきており、BDにかける意気込みも手伝って市場をリードしそうだ。

