エレクトロニクス分野の転職者たちへ モノづくりの匠が伝えたい「この技術」

小林 徹也 氏
Tetsuya Kobayashi(age43)
EHV機器技術部
室長

1989年、新卒でデンソーに入社し、電子回路設計に携わる。1992年にEV、HVのコンポーネント開発部署へ異動。2005年からPCU(Power Control Unit)用回路設計の責任者に。2007年より現職

ありがちな話ですが、デンソーに就職した理由はもともとクルマが好きだったから。入社後は電池ECU(Electronic Control Unit)をはじめ、一貫して電子回路の設計を手掛けてきました。現在に至るまでの道のりの中で、大きなターニングポイントになったのは世界初の量産ハイブリッド専用車『プリウス』の開発に携わったこと。

プロジェクトに参画したのが1996年11月。HV(ハイブリッド車)の燃費や安全を左右する重要部品である電池ECUを、1年足らずで立ち上げなくてはならないというスケジュールは、正直しんどかったですね。でも苦ではなかった。EV(電気自動車)での設計経験はありましたが、プリウスでは品質や性能に関する要求レベルがとても高く、まさに「未知への挑戦」。技術者魂に火が付きましたね。当時、5人でハード、ソフトを担当していたんだけど誰も「無理」だとか「間に合わない」なんて考えもしなかった。今考えても完成までの1年余りの働き方はすごかったですよ。設計して評価して、問題を見つけてはやり直す――。果てしない繰り返しの末にプロジェクトは成功。たったの1年でしたが、密度の濃さは3年分にも匹敵する日々でしたね。

難問をクリアしてこそエンジニア


電池ECUは約10年の間にさまざまな新規技術を開発することで約10分の1まで小型化しました。今ではその経験を活かし、HVのモーターや発電機を駆動するPCUに搭載されている制御ECUの設計部門を任されています。新たに開発したPCUは、デンソーの総知総力を結集した製品であり、レクサス最高峰のLS600hに採用されたことが、クオリティの高さの証明です。

学生時代、クルマが好きだったのが入社理由と言いましたが、その時に先輩から聞いた「サプライヤーならいろんなモノづくりができる」、「デンソーなら技術で勝負できる」という言葉に惹かれ、興味と知識の両方を活かすのならメーカーよりサプライヤーだと思ったのは正解だったと自負しています。

現在マネジャーの立場になって心掛けているのは、「常に課題に向き合って解決する方法を考える」という姿勢。マネジメント手法は完全に我流ですが、メンバー一人一人の資質やキャパシティーに合わせ、各々の仕事にテーマを与えるようにしています。例えば「○○回路のコストを半分にする」とか具体的にね。それと僕のモットーは「ホームランを狙え!」。ヒット狙いでホームランは生まれませんからね(笑)。モノづくりは常に難易度の高い壁を乗り越えることの連続。技術者は妥協したら絶対にダメ。高い壁を乗り越えるたびに自分の自信になるし、確かなスキルになることを身をもって示しているつもりなんですよ。

 匠が伝えたい電池ECUの技術

電池ECUは高電圧と低電圧間の絶縁を確保する技術が重要。図の「ダブルフライングキャパシタ方式」はコンデンサを電圧記憶媒体として用い、高電圧側のスイッチと低電圧側のスイッチを交互にON/OFFするだけで、絶縁を容易に保ちつつ、高速・高精度に電圧検出できる方法だ


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