古野 和雄 氏
Kazuo Furuno(age56)
技術部長
群馬工場長
産業用機械メーカーで多くの製造装置の設計・開発、製造・生産の現場を経験。その後、有機EL用部品製造装置メーカー、FPD用製造装置メーカーなどを経て2007年、ランテクニカルサービスに入社
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私が21年間勤めてきた会社を辞めて、初めて転職したのは47歳の時。それまでに電気系に関するモノづくりのすべてをやってきましたよ。設計・開発から製造・生産の現場まで、本当にすべてを知り尽くしたと思えた。その時に、「まったく新しい環境で新しい製品分野に挑戦したい」と思ったのが転職のきっかけですね。昔から好奇心は旺盛な方でね(笑)。
装置技術は幅が広いんですよ。より将来性のある分野、新しい技術を開発できる立場でモノづくりに携わりたいと思って出会ったのが有機ELも含めたFPD(フラットパネルディスプレイ)に関する技術だった。今は液晶を用いたFPDが主流になりつつありますが、品質向上やコスト削減などの課題があって世界中のメーカーが取り組んでいる分野であることを知った。挑戦しがいのある世界だと思ったら、もう飛び込むしかないでしょう?
ランテクニカルサービスは有機EL用の封止装置で知られていますが、ここへ転職するまでに半導体や有機ELなど複数の企業で研究開発に取り組みました。47歳で初めて転職してから現在までに4社経由していますから急ピッチですよね(笑)。でも、それらの経験から「薄膜封止技術」を自分のものにできた。韓国メーカーにいた時に、当社の創業社長に出会ったのがきっかけで転職したわけですが、社長と話していて「この会社なら新しい技術を追究しながら製品開発を手掛けられる」と確信したのを覚えています。
若手に「挑戦する意欲」を伝えたい
入社後は研究開発から設計、製造まですべての現場を統括する立場を任されています。これまでの経験や実績を十二分に発揮できることに大きな手応えを感じていますね。小さな会社ですから新しいことにどんどんチャレンジできる。私にとっては本当にやりがいを感じられる環境ですよ。だから若いエンジニアたちにももっと好奇心を持ってほしい。積極的に挑戦する意欲をぶつけられる会社なんですから。我々の世代はその意欲に対して、経験やスキルに基づいたアドバイスをする役目であることを心掛けています。
2008年中にリリース予定の液晶ディスプレイの「第4世代」向け封止工程製造装置は、他社に先駆けた新しい市場開拓を期待されています。海外からのオファーも多いんですよ。商談に訪れる方に独自の技術や製品の特徴の説明をしている時はエンジニアとして充実感、満足感を感じますね。
自分が学ぶのが好きだから一緒に働く若手たちから「もっとこうしたい!」とぶつかってきてほしい。一緒に新しいアイディアを出し合って課題を解決できるといいですね。
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匠が伝えたい有機EL用新薄膜封止の技術
有機ELディスプレイの構造は、中空構造を有する平坦なガラス基板同士の張り合わせ。封止材によるシール部分はパネルの周縁部のみであり、中空部には乾燥窒素が封入されている。薄膜封止により、封止用ガラスや接着剤、乾燥剤などが不要になるので薄型化ができる
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