不動産の仕事に就きたいときに、有利になってくる資格について、売買、賃貸、管理の大きく3種類の業務ごとに分けて説明していきます。
『売買』をする上で有利な資格
まずは、売買について。新築物件をお客さまに対して売る業務と、中古物件について売り手と買い手とをマッチングする仲介業に大別されます。
新築物件を売る際に有利な資格は、FP(ファイナンシャルプランナー)です。保険業界でよく聞く資格ですが、不動産業界でも重宝されます。この技能検定自体は国家資格ですが、民間でもAFP、CFPなどの似たような資格があります。
お客さまに住宅ローンを組んで頂く上で、的確なアドバイスをできるようになるのが、住宅ローンアドバイザーの資格。民間資格で、保険の営業担当でも有している人が多いのが特徴です。
また難易度が高い資格として有名なのが、不動産鑑定士の資格。土地や建物の価格を鑑定することが可能となる唯一の資格なので希少価値が高く、独立願望のある方から特に人気があります。資格保有者の年収は比較的高い傾向にあり、独立するとさらにアップが見込めます。
そして中古物件の仲介業において有利に働く資格は、不動産仲介士の資格です。お客様に対して不動産取引の条件提示や相談をする際に、信頼度が高くなります。また後述する宅建の資格が必要となってきます。
PCへの情報入力が主な『賃貸』業務
次に、賃貸業務です。先ほどの人と接する対面型の仕事であるのに比べて、こちらは主に事務作業と思っていただけるとよいです。物件掲載企業について、自分の会社のホームページに情報を打ち込みます。チェックする方が見やすいように、エリアや予算、キーワード毎に検索できるような見やすい形式が求められます。
特段、資格というものはあまり必要になりませんが、PCについての最小限のスキルがあることが望ましいです。
住みやすい環境を作る『管理』業務
そして、管理業務。賃貸をメインの会社が管理をするケースがほとんどです。一度きりの仲介業と違って継続的な仕事であるため、家賃収入という安定した収入が見込めます。
住民の間で起こり得るクレーム処理を丁寧にこなし、住民の一人一人が住みやすい環境作りが求められるこの仕事。管理業務をする上で評価の対象となるのは、第一に管理業務主任者です。その名の通り、管理業務全般を請け負う担当としての信頼が高く評価されます。他には2級FP技能士やマンション管理士も有利に働いてきます。
また、古い物件をリノベーションする際に、インテリアコーディネーターの資格や知識があると、お客様がより住みやすくて質の良い物件へ生まれ変える能力が身につきます。
どの職種でも使えるのは、『宅建』と『運転免許』
さて、ここまで不動産業界の各業務について説明してきましたが、最後に不動産業界全体で役立つ資格を紹介します。
全般で必要となるのが、宅建です。そもそも、不動産業者は5人に1人宅建士の設置義務があります。お客さんに対して契約時に重要事項を説明するのは、宅建士にしかできない業務でもあるので、これは寧ろ必須の資格といっても差しつかえないでしょう。お客さんからの信頼も厚くなります。入社する際においても、この資格を持っていれば重宝されますし、持っていなくて入社した場合でも、特に新卒社員においては大体が会社で資格をとるよう勧められます。転職をする際にもこの資格の有無が大きく影響してきます。
他に必要なのは運転免許。お客さんに物件を案内する時は車で移動する場合がほとんどなので、持っていないと仕事内容が限られてきてしまいます。
また、最近の不動産業界は、政府のインバウンド政策推奨の影響もあってか、外国人のお客様もよく見受けられます。そういう意味ではTOEICの点数が高い方が、より好意的に見られるでしょう。