IT開発現場の生産性向上や、コストと納期のバランスのとれたプロジェクト推進のために、進ちょく管理を適切に行うことは欠かせません。昨今、開発現場では、「プロジェクト管理ツール」の導入が進んでいます。
プロジェクト管理ツールの分類
プロジェクト管理ツールは、大まかに下記のように分類できます。
(1)プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)ツール
(2)プロダクト・ライフサイクル管理(PLM)ツール
(3)コラボレーション(コミュニケーション)ツール
(1)のPPMツールは、プロジェクトを任意のグループ(ポートフォリオ)ごとに分類し、ポートフォリオやプロジェクトの優先順位を設定し、予算や人員配置などの意思決定を支援します。プロジェクトを総合的に把握するためのツールです。
(2)のPLMツールは、製品の設計・生産管理に重点を置いて、企画、設計、製造、販売といった製品のライフサイクルを管理します。
(3)のコミュニケーションツールは、プロジェクトメンバーの作業を効率化し、生産性を向上させるために、メンバーやプロジェクトマネジャー間のコミュニケーションやコラボレーションを手助けするツールです。
以前は、プロジェクト管理ツールというと、(1)や(2)のようにプロジェクトマネジャーが意思決定を行う際に使われるものがメインでしたが、最近では(3)のようにプロジェクトメンバー全員が共有できるタイプのものが増えています。
ただ、利用者が多いタイプほど、導入の際に、使い勝手のよさやプロジェクトの実情に合わせてカスタマイズできる柔軟性などをきちんとチェックしておかないと、あとあとツールを使うために余計な工程がかかり、本末転倒となってしまいます。
日本のオフィスワーカーの生産性向上のためのツール、登場
こうした中、最近注目されているのが、クラウド上で進ちょくを共有するプロジェクト管理ツールです。
例えば、2014年にリリースした「Jooto」は、シンガポール在住の日本人とフランス人が立ち上げたクラウド型タスク管理サービスです。
Jootoは、プロジェクトごとにオンライン上で「ボード」を立ち上げ、ふせんをペタペタ貼るように、タスクを貼り付けていきます。シンプルで直感的にわかる使い勝手のよさで、仕事を管理できます。
「日本のオフィスワーカーの生産性の低さを変えること」を目的に開発されたサービスなので、もちろん日本語に対応しています。
複雑・短納期・低コスト化するプロジェクトのために
小規模・少人数のプロジェクトであれば、エクセルで作成した工程表やガントチャートで間に合うかもしれません。しかし、プロジェクトが複雑化する一方で、納期やコストは短縮や削減を求められることが多くなっており、しばしば計画の見直しも発生します。
そうした現状では、プロジェクト管理ツールを導入することが、生産性向上への近道の一つといえそうです。