「PMBOK」(読み方 正:ピンボック 誤:ピーエムボック)とは、世界最大のプロジェクトマネジメント組織であるアメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が策定した「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)」です。PMBOKはPMIが監修し、英語版のほか、アラビア語・中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語で発行しています。4年に一度、オリンピックイヤーに改訂されます。
PMBOKは、全てのプロジェクトに応用可能
PMBOKでは、プロジェクトの遂行に必要なマネジメントに関する基本的な知識を体系立てて整理しています。そのため、IT業界にかぎらず、建設や製造業などあらゆるプロジェクトマネジメントに応用できます。その汎用性から、今では世界の標準となっています。
PMBOKでは、ひとつのプロジェクトにおいて、多数のプロセス(手順、処理)を実施することで目的を実現します。最新のPMBOKガイド第5版では、47個のプロセスを、幅広いプロジェクトに適用可能な5個の基本的なプロセス群と10個の知識エリアとに分類しています。
・5個のプロセス群
プロジェクトの立ち上げプロセス群(Initiating Process Group)
プロジェクトの計画プロセス群(Planning Process Group)
プロジェクトの実行プロセス群(Executing Process Group)
プロジェクトの監視・コントロール・プロセス群(Monitoring & Controlling Process Group)
プロジェクトの終結プロセス群(Closing Process Group)
・10個の知識エリア
プロジェクト統合マネジメント
プロジェクト・スコープ・マネジメント
プロジェクト・タイム・マネジメント
プロジェクト・コスト・マネジメント
プロジェクト品質マネジメント
プロジェクト人的資源マネジメント
プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
プロジェクト・リスクマネジメント
プロジェクト調達マネジメント
プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント
これらの項目を見ても、PMBOKはある特定のプロジェクトだけでなく、汎用的に使うことができる知識だということがわかります。
エンジニアはひとりひとりがプロジェクトマネージャー
プロジェクト管理というと、プロジェクトマネージャーや管理職の仕事であって、一般のエンジニアには関係がないと感じるかもしれません。しかし、エンジニアの仕事には必ず納期があり、自らの作業をコントロールしつつ、納期に間に合わせるようにしなくてはいけません。そういった意味で、ひとりひとりのエンジニアは、自らの担当業務のプロジェクトマネージャーだといえます。
自らの作業を見直し、効率アップを考えたり、内容の改善を図るためにも、エンジニアひとりひとりがPMBOKでプロジェクトマネジメントの知識をもつことをおすすめします。