Hyper-Vは、マイクロソフトが提供しているサーバ仮想化のための技術で、2008年6月にリリースされました。Windowsや、Linuxもサポートされており、最近の開発環境、とくにスマートフォン向けのアプリケーション開発では、LinuxをOSとして採用している場合もあります。
Hyper-Vを用いると、仮想化技術によって1台のサーバマシンに複数のサーバを構築できるようになります。わかりやすく言うと、ひとつの部屋をパーティションで区切ってそれぞれ別の用途で使うようなイメージです。これまで、サーバを拡張するときは新しいサーバマシンを導入しなくてはならず、導入費用やスペースがかさみました。
しかし、Hyper-Vのような仮想化技術の登場で、サーバのリソースを効率的に利用できるようになり、運営コストをぐっと下げることができるようになりました。
登場からわずか4年でシェア1位に
IT専門調査会社IDCの仮想化プラットフォーム市場調査によると、2012年末には新たに仮想化プラットフォームが導入されたサーバ機のうち、Hyper-Vのシェアは約42%。先行していたVMwareの「VMware ESX」を抜いて、日本のサーバ仮想化市場におけるシェアナンバーワンの座をキープしています。
Hyper-Vは、すでに多くの企業が導入しているWindowsの関連商品であるため、新たな環境を構築したり、社外でトレーニングを受けたりというように導入・運営に関して新たなリソースを割く必要がそれほどなく、また、既存のシステムとの統合も図りやすいといったメリットがあります。
さらに、すでにWindows Serverを導入している企業であれば、コストゼロで仮想化技術を取り入れることが可能です。また、既存システム上で作動できるので、導入したいときに即座に利用できるという特徴ももっています。
仮想化はもはや大企業だけのものではない
Hyper-Vが仮想化技術導入へのハードルを下げ、さまざまなメリットを提示してくれたおかげで、仮想化は大企業だけのものではなくなってきました。今後、IT管理部門がない中堅・中小企業においても、サーバを集約することができ、管理に関する時間的負担や作業効率の削減などのメリットを得られることから、利用する企業は増えていくことでしょう。