ColdFusion(コールドフュージョン)は、「Photoshop」などのソフトで知られるアドビ・システムズが販売するWebアプリケーションサーバーの名称です。
もともとは、1995年にAllaireという企業から発売されました。2001年にマクロメディアに買収され、さらに2005年には、マクロメディアごとアドビ・システムズに買収されたという経緯があります。このように、Webアプリケーションサーバーとしては、長い歴史を持っています。
動的Webサイトの構築に特化
ColdFusionは、データベースと連携した動的なWebサイトを作るためのプラットフォームとして開発されました。ただ、ColdFusion自体はJava EEプラットフォーム上で動作しています。また、アドビ製品の一員となったことで、フロントエンド側にAdobe Flash Player、Adobe AIR、ブラウザ、Adobe Readerなどを持ってくることが可能になり、各種バックエンド(データベース、Java、.NET、Webサービス、Adobe LiveCycle、Adobe Flash Media Serverなど)とつなぐ役割も果たすようになりました。
Webアプリケーションサーバーは、特定の言語を用いて動的なWebアプリケーションを構築していきます。ColdFusionの場合は、CFML(ColdFusion Markup Language)というスクリプト言語を使っています。CFMLはタグ言語とも呼ばれるもので、Webサイトの構築の際に広く使われているHTMLに似た言語といわれています。比較的構造がシンプルなので、ほかのスクリプト言語に比べて開発やメンテナンスが容易なのが特徴です。
ColdFusion 11はスマートデバイス対応を強化
2014年4月にリリースされたColdFusion 11の新機能は次の通りです。HTML5 や websocket 対応の強化に加えて、高品質のHTML/PDF 変換機能や、モバイル Web アプリケーションの構築をサポートする機能が用意されています。
・HTMLからPDFへの変換
・PDFデジタル署名とアーカイブ
・ドキュメント記述XML(DDX)を使ったPDF操作
・CFMLベースのモバイルアプリの開発
・オンデバイスデバッグ機能
・マルチデバイスの検査
・ CFSCRIPTのフルサポート
・ソーシャルプラグインの統合
・デバイス検出
・ネイティブデバイスAPI
・ソーシャルログインのサポート
・クライアント側データベースの統合
・拡張されたサーバー側のアクセス
・UI開発用のカスタムタグフレームワーク
※詳細はこちらAdobe ColdFusion 11 Enterprise Edition
スマートフォンやタブレットの普及に伴い、Webアプリケーションも変化を求められています。ColdFusion 11では、Eclipse ベースの総合開発環境で、ColdFusionアプリケーションを構築するための開発エディタである「Adobe ColdFusion Builder 3」と組み合わせることが可能です。これにより、スマートデバイスに対応した総合的なモバイル Web アプリケーションの開発プラットフォームとなりました。
Web開発に高い効率性を
Web開発に高い効率性が求められるようになる中で、ColdFusionはその開発効率・生産性の高さから、長年高い人気を誇っています。