Android(アンドロイド)は、Googleが提唱・開発しているスマートフォンやタブレットなどのモバイル向けのOS(オペレーティングシステム)です。
Androidが登場するまで、スマートフォン市場はAppleのiPhoneによるほぼ独占状態にありました。しかし、2007年11月にGoogleが創設22ヶ月の、まだ新興企業のAndroid社を買収。そこで開発されていた携帯電話用OSを「Android」として発表しました。
Androidの大きな特徴は、ライセンスフリーであることです。そのため、Android OSを搭載するスマートフォンを作る上でOSのライセンス料金がかからず、メーカーは端末を制作するコストを安く抑えることができます。また、開発環境も無償で公開されているため、多くの企業や開発者が参入しやすくなっています。
こうして世界中の企業がAndroidスマートフォンに参入したことから、先行していたiPhoneを抜き、あっという間に世界のトップシェアを占めるようになりました。
「カスタマイズ性の高さ」がAndroidの魅力
Androidのメリットは、なんといってもカスタマイズ性が高いことです。アニメーション表示が可能な「ライブ壁紙」の設定や、簡易アプリをホーム画面に貼り付けられる「ウィジェット」、よく使うアイコンのみを表示する「ショートカット」などの機能があります。
また、iPhoneはホームボタン1つでの操作となりますが、Androidが搭載されたスマートフォンは、ホームボタンの他に戻るボタン、メニューボタン、検索ボタンなどを持っています。
端末も各メーカーが独自のものを開発しており、選択肢が多いのも魅力です。
また、Androidでは、開発者が自由にアプリを販売・配布できるため、iPhoneに比べて多種多様なアプリをインストールすることができます。
Androidに深刻な脆弱性を発見
ただし、Androidにも弱点があります。それは、クラウドサービスやネットサービスを中心とするオープンな環境が提供されていることから、通信やシステム上の脆弱性を発見され悪用されるリスクが高いという点です。
2013年12月、情報処理推進機構(IPA)とJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、Androidに深刻な脆弱性が存在することを明らかにしました。
これは、Androidの標準Webブラウザ、あるいはAndroid SDKのWebViewクラスを利用しているアプリから、悪意のあるユーザーが細工したWebページを閲覧すると、任意のJavaメソッドが実行され、最終的には端末ユーザーの意図に反してOSの機能を起動されたり、任意のコードを実行される可能性があるというものです。
この問題に対しては、現在、対象となる端末のほとんどはソフトウェア更新で対処されています。
ただし、Androidの魅力である「オープンな環境」が裏目に出てしまい、悪用されているということは、Androidの将来を考える上でも、非常に残念であるといえます。
今後、Androidがどのように脆弱性を改善するのか、注目が集まっています。