プログラマーなら必ずや通るべき言語、そして記述ができるようになって当然とされてきた言語。それが、C言語です。
アメリカのAT&T社に併設されたベル研究所で誕生したプログラム言語で、アメリカ規格協会(ANSI)によって標準化された後、国際標準化機構(ISO)及び日本工業規格(JIS)に標準採用されました。
Javaが登場するまで最も主流と言われたC言語ですが、Java登場後の現在においてもC言語の拡張版として使用されているC++言語と共に、幅広く普及されているプログラム言語として知られています。
C言語の特徴及びC++、Javaとの関係とは?
C言語の大きな特徴として、まず豊富な演算子やデータ型及び制御構造を持っているため、メモリやCPUなどを直接利用するOSやデバイスなどに代表される構造化プログラミング(コンピュータプログラムを記述するための技法)に最適であることが挙げられます。
また、特定のプラットフォームに依存した部分を言語から切り離して開発されているため、プログラムの移植が比較的容易であることも利点です。加えて、高速でコンパクトなプログラムが実現可能であることはなによりの特徴でしょう。
また、元々がシステムの記述用に開発されたことが出発点のプログラム言語なため、ハードウェア寄りの処理を記述することが可能という側面も。事実、UNIXの記述はC言語で行われています。
このC言語にオブジェクト指向(操作手順よりも操作対象に重点を置く考え方)プログラミング的な仕様を追加して開発された言語が、後継のC++言語です。
C言語より少々複雑になった面があり、これをさらに改良し、C言語及びC++言語を元に開発された言語がJava。このため、C及びC++より使いやすく、C++よりさらにオブジェクト指向的になっています。
C言語とJavaの違い…… オブジェクト指向とは?
C言語を元に開発されたことからJavaと比較されることが多いのですが、両者にはそれぞれの特性があります。一番大きな違いは、先述のオブジェクト指向があるかないか。Javaにはあり、C言語にはありません。
では、オブジェクト指向の特性とは? まずひとつに、オブジェクト内部データや振る舞い、実際の型を隠蔽し、他オブジェクトから参照されないようにすること。これにより、コードの柔軟性、保守性及び拡張が増すと言われています。
もうひとつが、他のオブジェクトが持っている特性を新規作成のオブジェクトに適用させ使用できること。これにより、オブジェクトの性能が上がると言われています。
プログラム上で優れていると思われがちなオブジェクト指向ですが、実は開発効率、つまりオブジェクト効率を向上させるためのものであって、プログラム上にあるかないかはまったく問題がありません。
ただし、オブジェクト指向は大規模開発に応えられる構造のため、業務アプリケーション開発では現状Javaや、C言語との互換性を持つC++言語の登場頻度が飛躍的に増えているのです。JavaのほうがC言語に比べ、修得に時間を要さない側面もあります。
オブジェクト指向が主流の現在におけるC言語の個性
現在ではオブジェクト指向が主流とされているプログラミングの世界ですが、C言語はネイティブ言語なため、記述されたプログラムが早く動くという点は魅力です。
また、元々あらゆる便利な関数が用意されているJavaに比べ、ひとつひとつ自分で構築していくため、細かな微調整や設定ができることから根強いC言語愛好家が多いとも言えます。こうした特性を活かした可能性が、今後C言語に見出されるステージとされているのです。