ActionScript(アクションスクリプト)とは、アドビシステムズ社の製品「Flash」で使用されているプログラミング言語のこと。ActionScriptを使用することで、動画や音声を再生するなど、複雑でインタラクティブなアプリケーションの作成が可能になります。
例えば、動画サイトの「ニコニコ動画」なども、動画を再生するプレイヤーはActionScriptを使って実装されています。
ActionScript2.0と3.0の違い
ActionScriptは、2000年に発売された「Flash5」で初めて搭載されました。「Flash4」やそれ以前のバージョンでも、スクリプト機能は搭載されていましたが、ActionScriptとは呼ばれていませんでした。「Flash7」からは、ActionScript2.0が、「Flash9」では3.0が搭載されています。
ActionScriptは、2.0からオブジェクト指向言語になり、大規模な開発にも適合できるようになりました。そして、Javaに似通ってきたともいわれています。2.0のときは、スクリプトアシスト機能などで感覚的に操作できたことから、プログラマでなくとも比較的簡単に実装が可能でした。
3.0ではスクリプトの記述方法が大幅に変更されており、1.0や2.0との互換性がありません。その分、処理速度は10倍ほど速くなったということです。
ゲーム開発をしたくなったらActionScriptを学ぶ
ActionScriptでは、ゲームの開発なども可能です。Flashには、タイムライン、レイヤー、ムービークリップなどの要素があり、コンピュータ言語の習得時に初心者にはわかりにくいオブジェクト指向の考え方が、視覚的に理解しやすいといわれています。
HTML5やCSS3の登場でActionscriptの需要が低くなってきていると言う声もありますが、「プレミアムビデオ」「AAAゲーム」の分野ではFlash技術が今後活かされる可能性があると言われています。
プログラミング初心者で、ゲームを作ってみたいという場合には、ActionScriptから学習してみるのもひとつの方法ではないでしょうか。
アドビ社のウェブサイトでは、ActionScriptで開発するための環境を無料でダウンロードできるのも、これからプログラミングを始めようという初心者にはうれしいところです。
ダウンロードできるのはFlex SDKといい、Flash Builder(旧Flex Builder)というFlashのコードを書くための製品のビルド部分のみのソフトウェア。ただし、Flex SDKはコマンドラインベースなので、まったくの初心者には少しハードルが高いかもしれません。
その場合、Windows版のみになりますが、オープンソースの統合開発環境「Flash Develop」というソフトも無償で公開されています。ソースコードについては「Spark project」というFlash / ActionScript開発のためのオープンソースコミュニティがあり、ユーザ同士がソースコードを共有したり、情報やノウハウを交換しあったりしています。
Spark projectのソースコードについては、そのコードのライセンスに従う限り、誰でも自由に使用できます。自分でイチからプログラムを開発する前に、こうしたところから他人のソースを入手して、参考にしてみるのも言語取得の近道のひとつです。