ハッカソン(hackathon)とは、広義のソフトウェアのエンジニアリングを指すハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた米IT業界発祥の造語で、ソフトウェア開発分野のプログラマーやプロジェクトマネージャー、グラフィックデザイナー、ユーザインタフェース設計者などが一堂に会し、決められた時間内でアイディアを出し合って、技術を競い合うイベントを指します。ときには、優勝者に高額の賞金が授与されることもあります。ハックデイ(hack day)やハックフェスト(hackfest)、コードフェスト(codefest)とも呼ばれます。
ハッカソンは、開発コンテストとは異なり、大人数でワイワイと作業するのがポイントです。いっしょに食事をしたり、雑魚寝をしたりしてチームワークを高めます。
企画からプログラミング、プレゼンテーションまで短時間で行うこともあり、「マラソン」というだけあって、体力勝負で肉体的にも精神的にもキツイ作業であることは間違いありません。ただ、プログラマーの個人作業になりやすいプログラミングを大人数で行うという、ある意味「お祭り」的な側面もあります。
オープンイノベーションの場として期待
ハッカソンは、近年IT企業の社内研修として開かれるもののほかに、使用プログラミング言語やOSなどを限定したもの、年齢別などで一般の参加者を募って行われるものなどがあります。フェイスブックの「いいね!」ボタンも、もともとは同社のハッカソンを通じて誕生した機能だそうです。
このように、企業や団体がハッカソンを主催する目的としては、大勢のエンジニアが集まってワイワイと意見を出し合い、共同作業を行うなかで、新しいサービスや機能に関するアイディアやヒントを発掘できることが大きいようです。オープンイノベーションが求められるなかで、ハッカソンは大きな期待を集めています。一方、参加者には、その場で出会った仲間と知識や技術を教え合ったり自分の腕を披露し合ったりして人脈を広げられる、最新の開発ツールに触れられるなど、のメリットがあります。
開発にかかわるすべての能力が求められる
ハッカソンでは、ただ単にプログラミングが優れているだけでは勝てません。新たなアイディアをもとにした企画から、アイディアを形にする技術、いっしょに作業を進める仲間同士のコミュニケーション、制限時間内で完成させる進行管理まで、サービス開発に必要とされるあらゆる能力が求められます。また、いかに聴衆を魅了できたかで優勝者が決まるので、完成後のプレゼンテーションも重要です。