「不動産=ブラック業界」は今や非常識!? “隠れ優良企業”を見極める方法【営業転職ノウハウ3Tips】
転職活動で失敗しないためのポイントをシチュエーション別に紹介する本連載。今回は、不動産業界によくある勘違いや志望する際に気を付けたいことを、type転職エージェントのキャリアアドバイザー・斉藤淳氏に教えてもらった。
不動産だけではなく、他業界を志望している人にも、選考通過のヒントとなる要素がありそうだ。
type転職エージェント キャリアアドバイザー 斉藤淳氏新卒で自動車ディーラーの営業を経験。その後、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ。相談者の希望する求人だけでなく、幅広い可能性から最適な提案を探していく並走型のキャリアカウンセリングが強み
不人気業界と思ってスルーはもったいない!
“隠れ優良企業”が増えている
冒頭からはっきり言いますが、不動産業界の営業職は求職者に不人気な分野の一つです。
労務が整っていない小規模な企業も多かったり、土日に休めないことが多かったりという理由もありますが、最大の原因は「昔ながらの、ドブ板営業(とにかくアポを取って訪問する、足で稼ぐ営業)」のイメージが強いことにあるでしょう。今では、ブラック業界の代名詞のように言われることも多くあります。
ですが、実は不動産業界は、昔と今では採用トレンドや営業スタイルが大きく変化しており、“隠れ優良企業”も多くなってきています。ブラックだと決め付けて、応募先候補から外してしまうにはあまりにももったいない業界なのです。そこで今回は、転職者が不動産業界に対して抱きがちなイメージを、業界全体で起きている変化を合わせてご紹介します。
【思い込み1】不動産業界は“ガツガツ”している営業スタイル
→【本当は?】「プッシュからプル型」に変化している!
不動産営業は、個人宅を一軒一軒まわって地道にインターフォンを押していくような“ガツガツ”した営業スタイルだと思われがち。しかし、最近の業界トレンドは「プッシュからプル型」に変化しているんです。企業ホームページやWeb広告などのWebマーケティングをうまく駆使して顧客に接触し、購入希望者からの問い合わせがきたら営業マンが成約に繋げる。そういったインバウンドセールスのスタイルが主流になってきたので、買う気のない人にむりやり営業するケースはほとんど発生しません。逆に、コンプライアンスを無視してやみくもに営業をかけていくスタイルの営業マンに対しては、採用に慎重になる企業も増えてきています。
【思い込み2】不動産業界はどこの企業にも受からなかったときの最終手段
→【本当は?】採用トレンドの変化により、志望動機を明確に語れる人が求められている
不動産はたしかに不人気業界ではありますが、「Web業界もメーカーも金融業界にも不採用だったから、不動産でいいや」と思って応募する人では、選考を通過できないでしょう。なぜなら、前述したように不動産営業は今変革期にありますし、東京オリンピックが開催される2020年に向けて各社体制を強化してきている時期。そのため「すぐに辞めずに、2020年もその先も見据えて働いてくれる人が良い」というのが採用トレンドになっているのです。
きっかけは「どこも不採用だったから」だとしても、面接で「不動産業界を選んだ理由」を明確に語れない人は当然長く続かないと見なされてしまいます。
【思い込み3】不動産業界はブラック企業ばかり
→【本当は?】業界全体で働き方改革を進めている!
前述したとおり、営業スタイルや不動産を取り巻く環境が変化する中で、企業側も「しっかりと長く働いてほしい」と考えています。そのため今では、残業時間を減らせるように工夫したり休日の体制を整備するなど、各社で働き方を見直しています。
また東京オリンピック開催をきっかけに市場が拡大し、今勢いのある業界の一つであることは間違いありません。盛り上がっている業界で働く醍醐味を感じられる、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
不動産業界への転職で、失敗しないための3つのポイント
不動産業界に対する悪いイメージは払拭できたでしょうか?
では、不動産業界を志望する際に、転職活動で失敗しないために面接の際に気をつけたい3つのポイントをご紹介します。
1.“元気の良さ”だけをアピールしすぎない
“ガツガツ営業”が求められていた従来のように、エネルギッシュな若い人だけが採用されるわけではありません。問い合わせをいただいた顧客に安心感を与えられるような、落ち着いた人の採用ニーズが増えてきています。一般的には転職が厳しいといわれる「30代後半・未経験」などの人であっても採用されるケースがほとんどです。
そのため、「ガツガツ営業が好まれるのだろう」と思って元気のよさだけをアピールしていくのは考えものです。足で稼げる元気なイメージをアピールするだけではなく、いかに自分はお客さまに好まれるのか、仲良くなれるのかを示した方が良いと思います。
2.“基本的なマナー”を守るべし
面接官も顧客も年齢層が高い不動産業界では、立ち振る舞いや身なり、社会人としてのマナーがしっかり守れているかなど、コンサバティブな対応が好まれる傾向にあります。ガチガチにマニュアルで対応する必要はありませんが、気を抜いてだらしない対応をしてしまわないよう注意したいですね。
3.自分に合った“優良企業”は、「企業の話を聞く」ことで見つける
不動産業界に限らず、よく「ブラック企業に入りたくないんです」という相談を受けますが、その答えはズバリ「企業に直接話を聞いてみましょう」です。求職者に嘘をついて採用しても、定着率が悪く結果的に企業の不利益になるだけなので、よっぽどのことがない限り企業は本音で答えてくれるはずです。
そのため、入社するかはともかく、一度企業の詳しい状況を聞くためにまずは求人に応募してみることをオススメします。話を聞いた上で入社を辞退したとしても、企業には決して失礼には当たらないので安心してください。企業の話を聞いて、自分の希望条件に合っている“優良企業”を見極めれば良いのです。
不動産業界は、営業スタイルの変化により、今までのイメージを覆すような”営業マンの変革期”を迎えています。世の中でネガティブなイメージを持たれすぎているように思いますが、不動産業界に多く存在する“隠れ優良企業”を見逃すのはあまりにもったいない。個人的には、最も「フラットなイメージを持って、まずは企業に話を聞いてみるべき」業界であると言えます。年間を通して採用していることが多い業界なので、決して「妥協」の転職ではなく、自分なりの優良企業を見つけて、理想の転職を成功させてください。
取材・文/大室倫子(編集部)
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