“生ける伝説”ジミー大西に悩みを相談したら、回答が天才すぎる「上司を怒らせたら1週間逃げろ」「後輩に成績抜かれたらパーティを開け」
「失敗を反省するため、なんば花月の階段にヒモでチンチンを括り付けた男」
「吉本新喜劇の舞台で放送禁止用語を叫んだ男」
「病院で点滴を飲もうとした男」
「恩人・明石家さんまを救いたい一心で怪しげな占い師に大金を注ぎ込み、楽屋泥棒未遂までした男」
……数え上げたらきりがない。これらは全て、ジミー大西氏の経験談だ。
高卒ですぐに明石家さんまに見出され、その後、萩本欽一に「天才喜劇役者」と絶賛されたかと思えば、絵を描き始めたら岡本太郎に「画家になれ」とまで言われた伝説の男である。
天然ボケが際立つキャラクターで国民から愛される彼は、師匠であるさんまに何度も怒られ、何度挫折を経験してもくじけない、“失敗から這い上がるエキスパート”でもある。彼の波乱万丈な人生経験をもとに、同じく「愛されてなんぼ」の世界で戦う若手ビジネスマンの悩みに一問一答形式で答えてもらった。
【Q1】「後輩の若手に営業成績で抜かれてしまいました。悔しさと焦りでいっぱいなんですが、どうすればいいでしょうか?」(26歳/メーカー営業)
そうですねぇ。とりあえず、パーティーを開きましょ!
たくさん人を呼んで、皆で後輩の成績を祝ってあげましょ。たくさんゴマすって、そいつに気に入ってもらって、後ろをついていけば良いと思います。そいつにどんどん偉くなってもらって、引っ張っていってもらって、一緒に偉くなっていきましょ。
僕なんか、何十人に抜かれたと思います? その度にプライドを持ち出して悔しがってても、何も始まりませんわ。プライドを捨てて、喜んでおくのが一番です。
――パーティーまで開いてあげちゃうんですね(笑)。ダウンタウンの松本人志さんはジミーさんの後輩ですが、売れた時にはパーティを開いたのでしょうか?
いや、別に。そもそも、彼はすぐ「ジミーちゃんは先輩やのに、しょうもない」とかいうでしょ。たしかに2カ月だけ僕が先輩ですけど、そんなん僕がアルバイトでちょっと先に入ってただけのことで、後輩っていう感覚はないんです。けどまあ、今も言ったように、僕はプライドなんて最初から捨てていますし、ダウンタウンが売れたおかげで僕もいっぱい仕事できたんで(笑)。営業マンも、とにかくプライドを捨ててニコニコしてればいいんですよ。そうしたら面白い仕事が入ってくるから。
【Q2】「営業先で大失敗をしてしまい、上司がかんかんに怒っています。なんと言って謝ればいいでしょうか?」(24歳/医療系営業)
とりあえず時間空けましょ、1週間くらい! 人が怒ってるのって、そんなに長くは続かないもんです。1週間たって、なーんも言わなかったら、その上司は逆に君のことが気になり始めます。「なんでこんなに怒ってるのに、コイツは謝ってこないんだ?」って。
そもそも本気で怒ってるということは、上司もその人のこと気にかけてるからなんですわ。だから、最初にかんかんになってる時は、軽く「すいませんでした」くらいは言っておいて、あとは顔も合わさんように逃げて、1週間くらい空ける。そしたら「あいつ、どないしたんやろ?」て心配してくれるかもしれへんし。それでも怒ってたとしても、人間は連続で2時間以上は怒れない。1週間たってさらに怒られたら、その2時間だけガマンしましょ。
――ジミーさんは怒られることに慣れてるような気がしますけど、時間を空ける、というのはどんな時に発想したんですか?
実はこれ、僕が見つけた方法ではないんですよ。さんまさんが教えてくれたんです。僕がさんまさんを怒らせたとき、「今お前に何を言われても頭に血が上ってるから、悪いことは言わん。1週間くらい離れとき」って(笑)。1週間も離れたら、お互い冷静になって話せる状態になっているわけです。
【Q3】「営業トークがどうも苦手でうまくいきません。トークがヘタでも売れる極意ってありますか?」(28歳/通信系営業)
まずニッコリ笑い続ける。気の利いたことを言おうとするよりも、相手の人に何を言われても全て「はい」で答える。それで話が繋がったら、自分の悩みを聞いてもらう。それだけで大体はオッケーです。
――相手の悩みを聞くのではなく、自分の悩みを聞いてもらうんですか?
例えば、「友達にプレゼントあげたいんだけど、何が良いと思う?」とかでもいいんですよ。仕事の話じゃなくてもオッケーです。人間って目の前に困ってる人がいたら、何かしてあげたいと思うはず。特に女の人が相手なら母性本能くすぐるかもしれないですしね!
【Q4】「今、営業成績が絶好調なのですが、調子が良い時に注意すべきことってありますか?」(29歳/不動産営業)
気を付けることはただひとつ。お金に注意! 酒に注意! あと、調子にのらないことだね。
とにかく、足もとに注意しないとあかんことになります。成績が上がったら、どうしても調子に乗ってしまうけど、それって必ず失敗すると思う。僕も経験あるけど、本当に歯車、狂い始めます。
——ジミーさんは売れまくっていた頃に、調子にのってしまったんでしょうか?
いや、僕の場合は調子に乗ることが許されなかったから。いつもニコニコして、腰を低くしていれば良いって教わったんですわ。今思えば、それだから良かったんだと思いますけどね。
日々がんばっている若手ビジネスマンにメッセージ
仕事は、芸人と一緒で、とにかく「ニコニコ、ハイハイ」が基本ですよ。そうすれば、周りも自分もハッピーですからね。
あとね、若手ビジネスマンなら、夢をもってなんぼだと思うんです。若いんだから、チャレンジ精神が大事。もし自分がやりたいことが無謀だって周りに反対されたとしても、「3年で結果出すからやらせて!」って言って説得すればいいんですよ。それが仮に、3年後の結果が出なくても、「でも、もうやっちゃったもんね!」で終わり。あとは自己責任、そんな感じで良いんじゃないですかね。不安になることなんてありません。僕だって人生で、何度も失敗しまくってますが何とか生きてるし、気楽にやっていけば良いんじゃないかな。
どの答えも、ジミーさんが口にするとなぜか「深い話」に聞こえてしまう。それは持ち前のキャラクターゆえか、それとも‟アホみたいな”場数を踏んできた“伝説の男”ゆえか? ジミー大西流の問題解決法を大いに参考にしてほしい。
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取材・文/森川直樹 撮影/竹井俊晴
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