「スマホ世代」を営業マンに育てる9つのコツ
日本生産性本部の恒例の調査によると、平成29年度入社の新人社員のタイプは「キャラクター捕獲タイプ」だそうです。
ネットやSNSの情報を駆使して就職活動を勝ち抜く熱心さを持ちながらも、飽きやすい傾向があるとか。
過去数年の新入社員タイプを振り返ると、 「ドローン型」(平成28年度)、「消せるボールペン型」(平成27年度)、「自動ブレーキ型」、(平成26年度)「ロボット掃除機型」(平成25年度)となっています。
例えているヒット製品や最新テクノロジーは異なるものの、共通して言えるのが、器用さやデジタルスキルの高さはあるものの、環境整備や育成、モチベーション維持など、使う側に扱い方の注意が必要ということです。
営業シーンでも、新世代を営業マンとして活用することが課題となっており、多くの営業リーダーの方々が、彼らの指導や育成に頭を悩ませています。
日本だけでなく、アメリカをはじめとする海外でも同様の悩みが聞かれます。
今回は彼ら新世代、つまり「スマホ世代」を営業マンに育てるためのコツを紹介します。
1.デジタルスキルを過大評価しない
物心がつく頃からインターネットやパソコンがある環境で育ってきた世代として、1990年代生まれ以降の世代を「デジタルネイティブ」と呼ぶこともあります。
上の世代、特にアナログ世代からすれば、自分たちよりデジタルスキルが高いと思ってしまいがちです。
しかし、スマホ世代のパソコンスキルは意外と低いのです。
NECの調査によると、大学4年生のうち約7割が自分のパソコンスキルに自信がないと回答しています。
大学生のパソコン所有率は9割と高いものの、レポートを書くことだけに使っていれば、エクセルの知識はつきません。
スマホ世代=デジタル世代ではないと認識し、彼らを営業マンとして育成する場合は、まずパソコンスキルのチェックを行うことが不可欠です。
2.スマートフォンを育成に活用する
20代が1日にスマホを利用する回数は、男性で56回、女性で61回にもなります。(40代男性は41回、50代男性は35回。)
彼らにとってもっとも身近であるデバイスを育成に活用しない手はありません。外出が多くても、移動時間や訪問の合間に、自然に学べる仕組みを作りましょう。
3.ミニ研修コンテンツを作成する
具体的には5分程度で内容が確認できる、ミニ研修コンテンツを作成しましょう。
モバイル学習アプリを開発する、3分程度で学習できる記事形式や動画コンテンツと、理解度をはかる3問以内のクイズをメール配信する、など、実施方法もさまざまです。
週に3回配信できれば、毎月1時間分の研修が実施できます。
座学で1時間以上の研修を実施する場合でも、従来の講師が一方的に話すスタイルではなく、ミニ研修コンテンツを集めた形式にすると、集中できる時間が短いスマホ世代を飽きさせずに惹きつけることができます。
4.画像や動画を活用する
3でも触れましたが、視覚情報の処理が得意なスマホ世代には、文字情報よりも画像や、動画、情報、データ、知識を視覚的に表現したインフォグラフィックが効果的です。
動画作成はハードルが高いと感じるかもしれませんが、意外と簡単です。
パワーポイントスライドを活用して動画を作ることができます。
YouTubeに研修用のチャネルを作成し、限定公開の動画を集めると、管理も利用も簡単です。
5.学ぶ必要性を具体的に伝える
自分の欲しい情報をピンポイントに探し当てることが上手な彼らにとって、なぜ学ぶのかはっきりとしない情報は「スルー」されがちです。
この情報は営業マンとしてなぜ必要なのか、どういうシーンで使えるのかなどを明確に伝えることが大切です。
もし必要性を伝えることができなければ、育成には必要がないことなのかもしれません。
6.繰り返し伝え、練習をさせる
重要なメッセージは形を変えて繰り返し伝えることが大切です。
例えば、営業シーンで有効とされる、相手に答えの幅を委ねる、オープンクエスチョンの重要性を伝える場合には、複数のシーンについて、はい、いいえで答えられるクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの違いを伝えましょう。
また伝えっぱなしにせず、練習をさせることも非常に重要です。
先ほどの例の場合は、オープンクエスチョンを使うロールプレイを実施すると、理解も深まり、実務へと活用ができるようになります。
7.答えを探させる訓練もする
この世代に対しては、効率を重視する場合は答えややり方を提示した方がよいものの、自分から答えを探す姿勢を教えることも必要です。
幸い、彼らは、オンライン検索で情報を探すことが得意です。資料の中から答えを探させるエクササイズも育成に取り込みましょう。
8.やる気スイッチを知る
仕事での成功や報酬アップに対する関心が他の世代よりも低い傾向があるのもこの世代の特徴です。
それよりも自分が大事にしていることや、自分のやりがいや納得すること、個人の幸せを重視しており、やる気スイッチもそれぞれです。
短時間で構わないので、定期的に個人面談を実施し、彼らが本当に目指していることとやる気スイッチを探る努力をしましょう。
9.具体的で丁寧なフィードバックをする
スマホ世代は、言われたことしかやらない、こちらのしてほしいことを察しない、などという不満の声もよく聞きます。
しかし、言われたこと以上のことをしてほしい、と伝えないと彼らにはわかりません。
仕事での評価についても、うまくいったこと、続けてほしいこと、改善してほしいこと、なぜそのやり方ではいけないのかなど、具体的で丁寧なフィードバックが必要です。
いかがでしたか?
今は営業マンの中では少数派の彼らですが、これからどんどん存在感を増していくことは間違いありません。
ぜひ今のうちに研修や指導内容を見直し、スマホ世代を即戦力化していきましょう。
※こちらの記事は『セールスハックス』より転載しております
>>元記事はこちら
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