スキルアップ Vol.600

元AV女優が指摘する、若手男子が勘違いしがちな性のこと【麻美ゆま×TENGA×宋美玄】

タレントで元AV女優の麻美ゆまさんは、「AVが教科書になってしまっていることが悲しい」と、日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018の講演「私たちは性のはなしを知らない」で語った。

産婦人科医で『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』著者である宋美玄さん、株式会社TENGAヘルスケアの佐藤雅信さん、誰もが性を楽しめる社会のためにTENGA医療を実践している医師の福元和彦さん、そして麻美ゆまさんが登壇した本講演。後編では、若手男子が気を付けておきたい「勘違いしがちな性のこと」を紹介しよう。

前編はこちら:20代男子がやりがち? 誤解ばかりの「女はこうすれば喜ぶ」テクニックは即やめよ!

【勘違い5】2人きりで飲みに行ったらヤレる!
→セックスのOKサインなんてありません!

性の話

宋「本当にびっくりしたんですけど、『“性的同意があった”と思われても仕方ないと思うもの』というアンケート結果で、11%の人が『2人きりで食事』と回答しているんです。『2人きりで飲酒』は27%、『2人きりで車に乗る』は25%と、4人に1人がセックスできて当たり前だと思っている

麻美「『女性からどういう反応があったらOKサインですか?』って質問をいただくことがあるんですけど、それはコミュニケーションの中で判断すること。コミュニケーションを取った上での合意が不可欠だと思います。性的同意を紅茶で例えたYouTubeの動画がとても分かりやすいので、ぜひチェックしてみてください」

【勘違い6】不妊の原因は女性にあるんでしょ?
→不妊の原因の48%は男性側にあります。

福元「男性に不妊の原因があるケースは全体の48%と言われていて、そのうち8割は精子の問題です。精子の運動力や質は年齢とともに落ちていきます。精子の状態をはっきりさせるために行うのが精液検査ですが、男のプライドゆえに精液検査に抵抗がある人は多いんです」

宋「男性にとっては勃起や射精、精子がいるかどうかっていうことは、ものすごく重大なことなんだなと感じます。女性は仮に排卵していなかったとしても、『女として終わった』と思うほどのショックはない気がするんですよ。不妊治療を長く続けている女性の中には、夫が検査を受けてくれないと悩んでいる人もいます」

福元「なかなか自分の精子を見る機会はないと思うんですけど、『TENGA MEN’S LOUPE』という精子観察キットではスマホで簡単に精子の運動量を調べることができます。クリニックに行って検査をするよりだいぶハードルは下がるはずなので、子どもを望んでいるのであれば、一度チェックしてみてください。あと、最近AGAのクリニックが流行っていますが、AGAの薬を若い人が飲むと無精子症になるリスクもあることは知っておいてほしいですね」

【勘違い7】オナニーは自己流でOK!
→“床オナ・強グリップ・足ピン”は射精障害の原因になります。

佐藤「男性の不妊の原因の15%ぐらいは、勃起障害や射精障害です。勃起障害はバイアグラで対応できますが、射精障害は女性の膣内で射精ができないという障害。マスタベーションでは射精ができるのに、膣内で射精ができないんです。最近の調査では270万人、つまり成人男性の20人に1人が射精障害だということが分かりました」

性の話

佐藤「射精障害の原因の7割はマスタベーションです。大きく3つに分けることができて、まず1つは強過ぎるグリップ。腕を握った時に血が止まる感じがするぐらい強く握らなければイケないんですね。でも女性の膣はそんなに強く締め付けることができません。2つ目は、俗に言う“足ピン”。足をピーンと伸ばしていないと射精ができない。そうなると正常位や後背位ではダメで、騎乗位ならイケるかもしれないけれど、それでは女性の負担が大きい。そして3つ目は“床オナ”。床やテーブルの角に擦り付けるようなマスタベーションも、膣内で射精ができなくなる原因になります」

宋「騎乗位で女性が相手をイカせるなんて、AVじゃあるまいし無理ですよ」

福元「AVの影響もあるかもしれないんですけど、精液をたくさん出すのがいいっていうイメージがあるんですよね。だから射精をするときに力を振り絞って出すクセがついてしまって、それが足ピンにつながってしまう」

佐藤「射精障害は、強い刺激がないと射精ができないことが原因です。TENGAでは『MEN’S TRAINING CUP』というトレーニングツールを用意していて、刺激を徐々に下げてリハビリできます。強グリップ・足ピン・床オナは即やめて、改善していきましょう」

取材・文・撮影/天野夏海


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