【麻美ゆま・TENGA・宋美玄】20代男子がやりがち? 誤解ばかりの「女はこうすれば喜ぶ」テクニックは即やめよ!
アダルトビデオやエロ本、学校の先輩から聞いた話……。セックスや女性の体についての情報ソースは概ねこんなところではないだろうか。だが、タレントで元AV女優の麻美ゆまさんは、「AVが教科書になってしまっていることが悲しい」と、日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018の講演「私たちは性のはなしを知らない」で語った。
産婦人科医で『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』著者である宋美玄さん、株式会社TENGAヘルスケアの佐藤雅信さん、誰もが性を楽しめる社会のためにTENGA医療を実践している医師の福元和彦さん、そして麻美ゆまさんが登壇した本講演の中から、「男が勘違いしがちな性のこと」を紹介しよう。
男性の草食化なんて言われる中で、セックスレスや不妊に悩む夫婦が増える今、正しい知識を得ることはパートナーとの良い関係性を築くことにつながるはずだ。
【勘違い1】AVはリアルなセックスでしょ?
→AVはファンタジーの世界です!
麻美「AVは作られた嘘の世界です。ファンタジーとして見ている人を楽しませるものだから、実際のセックスで同じことは絶対にしないでほしいんです。他に参考になるものがないから、女性もAVを見て『こうやって男の人を楽しませるんだ』って考えている方が増えています。でも、AVは教科書じゃありません。こういう現状は変えていかなきゃなって思っています」
宋「AV はビジュアルで見ている人を興奮させるものなので激しく動いていますが、本当はそんなに動かずにそっとしている方が女性にとっては気持ち良いことも多いんです。そもそも男性は勃起や射精にこだわり過ぎていて、それこそがセックスだと思っている人が非常に多い。勃起も射精も一生できるものではないですから、そこにとらわれ過ぎない方が長くセックスが楽しめますよ」
【勘違い2】彼女のためにコンドームを着けるなんて紳士!
→コンドームは「自分を守るもの」です。
宋「コンドームを着けるのがマナーとか、女性のために着けると思っている人が多いけれど、それは違います。コンドームは病気を防ぎ、相手を妊娠させて自分が困らないために使う、自分を守るもの。『コンドームつけることが紳士』なんていう話ではありません」
麻美「『AVってコンドームしてないんでしょう?』と言われることもあるんですけど、日本で流通しているものに関してはほぼ必ずコンドームを着用しています。コンドームを着脱するところは見えないように編集して、着けていないように見せているだけ。男優さんはマイコンドームを持参する方が多いですよ。また、一部のいわゆる中出しモノは事前に徹底的な性病検査を行っています」
福元「性感染症はたくさんありますが、例えば尖圭コンジローマは感染してから発症するまでに9カ月くらいの期間があります。発症するとイボを焼かなければいけなかったり、2カ月くらい薬を飲み続けなければいけなかったりと、治療は大変です。治るまではセックスもできません。パートナーにうつさないためにも、『飲み会の後に先輩に風俗に連れてかれた』なんて時は早めにチェックすることを推奨します」
宋「ちなみに、風俗はお店によって性感染症への対応が全然違います。毎月必ず全員に検査を受けさせるお店もあれば、全く管理していないお店もありますよ」
【勘違い3】「イク=潮吹き」なんでしょ?
→潮吹きはオーガズムの象徴ではありません!
麻美「『どうやったら潮を吹かせられるんですか?』ってよく聞かれるんですけど、あれは観賞用だと考えてほしいんです。たしかに男優さんの中には潮吹きをさせるのが得意な人もいるけれど、それは女性の体をよく知っているからできること。それに女性も、水を飲んで準備をして撮影に挑んでいます。激しくすればできるものではないことは知ってもらいたいなと思います」
宋「いわゆる潮吹きは、女性がオーガズムに達した証拠ではありません。テクニックのある男優さんがやった結果、オーガズムと潮吹きが同時に起こることはあるかもしれないけれど、麻美さんの言う通り、観賞用です。気持ちいいとか、セックスが上手いっていうものではないんです」
麻美「『潮吹きってどんな感じなんですか?』って聞かれることがあるんですけど、感覚としては“尿になる前のもの”が出ている感じなんですよね」
宋「潮吹きは膀胱から出ています。腎臓で尿になったものが膀胱に溜まるので、それは尿になる前のものではなく、まぎれもなく尿ですね」
麻美「(笑)」
宋「そもそも挿入行為でイケる、いわゆる“中イキ”ができる女性は少ないんですよ。ただ、クリトリスではイケるっていう人は多いですから、無理に潮吹きさせようなんて思わずに、挿入しながらローターをクリトリスに当てる方が女性はオーガズムに達しやすいと思います」
【勘違い4】濡れてるから感じてるはず!
→「濡れる=感じている」ではありません。
宋「刺激に反応して分泌液が出ているのであって、濡れているから感じているっていうことではありません。逆にセックスの時に気持ちは乗っているけど濡れないことだってありますし、『濡れる=感じている』ではないことは男女双方に理解していただきたいですね」
麻美「レイプ事件でも濡れていたから合意したんだっていう人がいますけど、体を守るために必然的に出てくるものです。女性が嫌がれば嫌がるほど濡れていくような描写がAVにありますが、撮影の現場ではローション使うなどしています。繰り返しますが、AVは作られた嘘の世界。現実に当てはめることは絶対にしないでくださいね」
後編はこちら:元AV女優が指摘する、若手男子が勘違いしがちな性のこと【麻美ゆま×TENGA×宋美玄】
取材・文・撮影/天野夏海
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