ノウハウ Vol.675

豪快すぎるプロ営業師に“自信のない若手が行動を起こすための秘訣”を聞いてみたら、答えは超シンプルだった

若手ビジネスパーソンの中には「まだ何の成果も出せてないし……」と消極的になり、自分の希望や意見が言えずにいる人もいるだろう。

そんな悩める20’sに、“根拠もないのに大口を叩き、何故か成果を出す逸材”と言われる男を紹介しよう。彼の名は、高山洋平。インターネット広告大手のアドウェイズで営業統括部長を経た後、現在は子会社である株式会社おくりバントの代表を務める。

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん
株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん
東京都足立区出身。大学卒業後、投資用不動産会社を経て、IT業界大手の株式会社アドウェイズに入社。独自の営業理論を武器に、中国支社(上海アドウェイズ)の営業統括本部長まで上り詰めた。2014年に、株式会社アドウェイズの子会社として株式会社おくりバントを創業。類まれなる営業力で、『営業のプロ』として多数の企業や大学にてセミナーの講師を務める。また、業界のごく一部では年間360日は飲み歩くという“プロ飲み師”としても知られている。
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パソコンどころか、何ならデスクの整頓や議事録作成などの簡単な作業もできない」と、彼にはビジネスパーソンに必要とされる基本の能力がない。しかしその類まれなる営業力で今の地位(?)を手にし、各方面から『営業のプロ』と呼ばれるようになった逸材だ。

なぜ彼は基本的なビジネススキルもないのに、自信満々に仕事を進められるのだろうか?

「中国語はできないけど、俺が中国に行ったら絶対成功する」高山洋平の迷営業エピソード

――本日は「自信のない若手が、行動を起こすための秘訣」というテーマで取材に来ました!

ああ、そのテーマだったら僕しかいないですね。相当感度が高いんですね(笑)。

――あ、ありがとうございます(笑)。失礼ですが、高山さんっていわゆる「デキる男」って感じではないんですよね……?

それは否めないですね、むしろ営業以外は何もできないです。僕、本当にパソコン使えないし、計算とかも全然できないんですよ(笑)。

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん

――それでも高山さんは、社員数1000名を超えるアドウェイズの統括本部長をやっていたんですよね?

まあ、総括本部長と言ってもあくまで中国支社の本部長です。しかも最初は中国のビジネス事情も中国語も何も分かんなかったんですよ。でも俺が中国に行ったら絶対成功する気がして、行かせてくださいと頼みました。

その後は経営もやったことないし、周りからは「どうせすぐ潰れる」って言われたんだけど、アドウェイズの子会社(おくりバント)の社長にさせてもらえました。何より「社長」って呼ばれたかったし、駐在を申し出たときと同様、何となく俺ならできるって思ってたんです。それでアドウェイズの岡村社長に「子会社をやらせてください」と頼んでみました。

――すっごく失礼ですけど、なかなかの厚かましさですね……。

はい。でも、俺ならできると思って会社を始めてみたものの、思ったよりむずかしくて。今でも各方面に営業して廻っております(笑)。

高山さんが、年間360日飲み歩いて気付いた「自分の強み」

――そもそも高山さんは「営業以外何もできない」わけですよね? それなのに経験がない仕事に対して、どうしてそんなに堂々と「やりたい」と言えるんでしょうか?

あのですねー、そこは皆さん勘違いされてるんですが。確かに僕は、なーんにもできないです。でも、自分でこれなら誰にも負けないと思える分野があるんです。それに対しては確固たる自信がある。

例えば、俺は三国志とか中国映画、そしてそれらと同じくらいお酒が超好きなんですよ。中国の人って歴史の話が好きだし、酒豪も多いっていうから、俺って中国でビジネスするにはぴったりじゃん! と思って中国支社に行ったんです。

――普通は三国志が好きだからって中国でやっていけるとは思わないと思います……。

世間一般でいう「デキる人」なら、「中国語が堪能なので中国で活躍できます」と正攻法で挑みますよね。でもそれは俺には無理だから、別の角度でできることを考えてみたんです。実際に中国では広告もバンバン売ったし営業のトップにもなれました。要は正面玄関がダメなら、裏口から入るという作戦です。

――何で別の角度からならいけると思ったんですか?

自分のことを徹底的に分析しているからです。これはできないけど、こういうことならできる、っていうのを日々考えているんですよ。

太古の昔より、営業マンは「まずは自分という商品を売れ!」とか「会話の引き出しを豊富に持て!」とか言われてますよね? 僕も幾度となく言われてきたし、それならできるとも思った。その先人達の教えを忠実に実践してみたんです。例えば中国の歴史、映画、音楽に精通している営業マンって全国に何人いるか知ってますか?

――分からないです……。

僕も分からないです。

でも、たぶん少数派なんですよ。要するに中国カルチャーを知ってる人の企画と知らない人の企画どっちを買いますか? という事です。

広告とカルチャーは切っても切り離せない関係です。このジャンルに関しては、一般的な中国人よりも自分の方が圧倒的に詳しいという自負がありました。それを改めて自分の武器だと認識できたら、自信が持てるようになった。それできっとうまくいくという仮説の根拠が生まれたんです。

幼少期、中国カルチャーに興味を持つきっかけを与えてくれたジャッキー・チェンさんには感謝しかありませんね。

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん

――何でそういう思考に辿り着くのでしょうか?

20代の頃から年間360日、飲み屋に通ってるからに決まってるじゃないですか!

――え? 何か関係があるんですか?

もちろんです。あ、でも僕は特異体質なので普通の体質の方は真似しないでくださいね。とにかく、飲みに行き続けると年間数千人と出会えるんですよ。そこで出会った人との会話の中で相手の反応を見る。そうすれば年間で数千人もの「相手の反応」のデータがとれるんです。

――相手の反応というと?

こういう話題なら、今日初めて出会った人も興味を持って話を聞いてくれるんだ、とか逆にこういうネタはウケが悪いぞ、とか。それに、スマートな飲み方をする紳士淑女の立ち振る舞いや、面白いおじさんのトーク術も盗める。もちろん反面教師もいますけどね。そうやって吸収しながらトライ&エラーを繰り返していくと、自分の強みと弱みが分かってくるんです。

僕は営業や企画は得意なのですが、エクセルや法人税みたいな話にはめっぽう弱くて。それならもう苦手な領域は諦めて、その分得意領域を伸ばそうと考えました。

――それにしたって、高山さんは極端すぎませんか? いくら苦手だからって、パソコンくらい使えないと仕事にはならない気が……。

僕の苦手領域が得意な人にカバーしてもらってるんです。「俺はこれができないので、助けてください」っていうお願いの仕方も年を重ねるごとに段々上手くなっていき、特に困ることはなかったです(笑)。

――できないことに対して、恥ずかしいとは思わないんですか?

ちょっと思います(笑)。でも、苦手なことって成長スピードも遅いんですよね。例えば、僕は歌が大好きなんですが、いくら練習しても下手なまま。それで歌手にはなれないと悟りその道を早々に諦めた、それと同じようなことですよね。

だから一刻も早く助けてもらっている人達には恩返ししたいと、常日頃から思っております(笑)。

――「失敗したらどうしよう……」とかは?

僕は人と話すとき「これがウケなかったら次の話題を出してみよう」ってプランDくらいまで考えてるんです。するとビジネスシーンでも常にプランDを考えながら営業ができるようになった。大体4つくらい方法があれば、何とかなるじゃないですか。ましてや、これで失敗しても諦めもつく。

だから、失敗したときの事は考えないようにしています。この思考はミッション:インポッシブルシリーズを見ればおおよそ掴めると思いますよ。

――なるほど。でもそれって、高山さんだからできたんじゃないですか? キャラ立ちしてるというか。

俺だってこのキャラを確立させるまで40年かかってるんです。それに、誰でも自分にしかできないことを探求していけばキャラは自然に確立すると思いますよ。

――まだ何の実績も出してないような新人ビジネスパーソンでもですか?

もちろん。例えば「松屋でバイトしてた」とか、何でもいいと思うんです。取引先にも同僚にも松屋で食べた経験がない人ってほぼいないですよね。仮に松屋バイト時代の面白い話ができたら、その話を聞きたいと思うのは僕だけではないはず。そうすると「松屋でバイトしてた」というキャラが一つ誕生するじゃないですか!

自信がなくて行動できない20代は、徹底的に自己分析しまくれってことです!

マナーやルールを恐れる前に、
「ラーメン二郎の民度の高さ」について考えてみてほしい

――とはいえ、新人だと「ビジネスマナーが合っているか」とか些細なことでも不安になります。そういう細かいこと気にせず、どーんと構えたらいいんでしょうか……?

いや、全員がどーんと構える必要はないと思う。でも、ビジネスマナーって表面的なものなことも多いんですよ。だからマナーとかルールを恐れる人は、その本質が何を意味しているのかを考えた方がいいと思います。

――本質、ですか。

あなた、『ラーメン二郎』って行ったことありますか?

――え? 知ってはいますが、ないです。

えー、ラーメン二郎めっちゃうまいですよ。でも二郎って、なんかヤバそうなイメージないですか?

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん
「最近は二郎にハマりすぎて、今年に入ってまだ50日くらいしか飲みに行ってない……」(高山さん)※取材時は2月末

――めっちゃありますね。「アブラマシマシ」とか。

そう、知らない人からすると「ヤバい奴らが集まってそう」って思うでしょ? でも、実は二郎って超本質的なマナーが備わっている客しかいない。それくらい民度の高い店なんです。あんなに長い行列ができているのに、近隣住人の方々にご迷惑にならないよう皆が静かに並んでいるです。店に入ればお客さんが自分で食べ終わった食器を下げて、自分でテーブルを拭いて、必ずごちそうさまって言って出ていくんですよ。ちなみにこの一連の動作をフィニッシュムーブといいます。

これ、店員がそうしてくださいって言ってるわけじゃないんです。それぞれがどうすれば気持ちよく二郎を味わえるのか、客自身が考えた結果であって。

そう考えると、名刺はどちらが上かとか、会議でどこに座るかとかじゃなくて、二郎みたいに「お互いが気持ちよく仕事できること」っていう本質的な部分ができていればいいと思うんです。

“自己分析+α”が、自分だけの武器になる

――なるほど。ただ、自己分析をした結果、「やっぱり自分ってまだ何もできない新人だ」と自信をなくすパターンもありそうです。

そりゃあ、ただ自己分析するだけじゃダメですよ。そこで分かった自分の強みを体現していく方法を考えないと。誰だって「自分にはこういう武器がある」って見つけられたら、自信も湧いて発言もしやすくなるでしょう。まずは、そういう武器を意識的につくることです。

――意識的につくるとなると、時間がかかりそうですね。

時間なんて全然かからないよ。例えばだけど、喫茶店の『ルノアール』が好きでよく通っているとするじゃないですか。そんな人がルノアールについて語るとしたら、何て言ったらいいと思います?

――「ルノアールの水出しコーヒーが好きです」とか……?

それってお店に行っていれば誰でも分かる情報ですよね。でも、ルノアールの社長の名前とか、どこが本社でどういう創業ストーリーを持っているかって説明できますか?

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん
高山さんが愛してやまないルノアールをバックに

――それはできないですね……。

そこで「ルノアールは小宮山さんっていう創業一家の3代目社長がやってるんですよ」とか「元々は煎餅屋さんだったから、コーヒーを頼むと必ず温かいお茶を出してくれるんですよ」とか言えたら「こいつ、ルノアールのことめっちゃ知ってるじゃん……!」って思わないですか?

――たぶんそんなことまで知ってるのは、何千人に1人だと思います(笑)。ルノアールのことはそいつに聞こうと思いますね。

でも、それってスマホで5分あれば調べられる情報でしょう。そんなちょっとの努力で物事を深堀できる逸材になれる。

――その話と自己分析にどのような繋がりが?

自己分析をしたとしても、自分の好きなものや得意なものを表面的にしか見れていない人が多いってことです。それだけじゃ、その分野に自信が持てなくて当然です。でも自分の好きなものや仕事に対して、ちょっとでもいいから人より深堀りしてあげる。それだけで、その分野に一家言持っているような人になれるってわけ。さらにあまり他人と被らない分野を沢山見つけたら、より一目置かれる存在になれて、発言もしやすくなると思います。

――高山さん、意外と超戦略家なんですね……!

これでも一応PR会社(おくりバント)の社長ですから!(笑)。 俺もそうだけど、もともと自信がある人なんていないです。真剣に自己分析して、特性やキャラを強化していけば、おのずと自信もついてきますよ。

――なるほど……。すごく勉強になりました。最後に、20代の読者に向けてメッセージをいただけますか?

自分はどんなことが好きなのか、自分の強みは何なのか。それを知るために20代はたくさんの人と出会って、遊んで、恋愛して、仕事して、映画も観て、好きなことして……いろんなことに興味を持って、「自分はどうやって自信を付けていくか」の戦略を考えてみるといいですよ。 何なら僕と一緒に飲んだら手伝ってあげますから、気軽に連絡してください。あ、飲み代奢ってくれるならね(笑)。

株式会社おくりバント 代表取締役社長 高山洋平さん
撮影場所を提供してくれた、中野のスケートボードショップfatbros(ファットブロス)。「中野はファットブロスが仕切ってるといっても過言じゃないから、挨拶しておいたほうがいいですよ」(高山さん)

Information

◆高山さんのTwitterInstagram
◆「得点圏まであなたを」株式会社おくりバント
◆中野のスケートボードショップfatbros(ファットブロス)

文/於ありさ 取材・企画・編集/大室倫子(編集部) 撮影/吉永和久

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