就活失敗、会社が倒産寸前……24歳の僕が2度の転職で学んだ“最良の職場”の見つけ方/オフィスR&M 佐々木勝拳さん
今回本連載に登場するのは、オフィスを中心とする事業用不動産の賃貸・売買仲介などを行う株式会社オフィスR&Mで事業所や店舗の仲介営業に携わる、24歳の佐々木勝拳さん。
佐々木さんは、「自分に合った社風の会社で、仲間と切磋琢磨しながら、やりがいを感じられる仕事がしたい」と、20代前半のうちに2度の転職を経験した。
短い期間で転職を繰り返すことを“リスク”ととらえる人も多いかもしれないが、「オフィスR&Mに転職し、ようやく自分に一番合った会社を見つけることができたと思う」と佐々木さんは目を輝かせる。
なぜ彼は、20代のうちに自分にとっての「最良の職場」を見つけられたのだろうか?
ギスギスした人間関係、業績の悪化……連続で味わった、会社への絶望
佐々木さんが新卒入社したのは某大手住宅資材メーカー。就職活動がうまくいかず、妥協して選んだ就職先だったという。
「本来なら、自分の将来について深く考えた上で就職先を選ぶべきだったと思います。でも当時は第一志望の会社に入社できなかった失望感があり、実家から近くて転勤がないという理由だけで就職先を選んでしまいました」
望まない就職ではあったものの、せっかく縁あって入社したのだからと、配属された営業部門では仕事にまっすぐ取り組んだ。結果的に、それなりの営業成績を残すことができたというが、職場のギスギスした人間関係や、営業成績が伴わなければ即異動や退職を勧められるという厳しい企業体質に嫌気が差し、佐々木さんは転職を決意。
そこで彼は就活をやり直すような気持ちで、たくさんの求人情報の中から、不動産や建築業界を中心に、比較的小規模かつノルマが厳しくない会社を数社選び出した。その中の1社が、今の会社の同業でもある不動産の仲介会社だ。
「比較的規模の小さい会社なら、上司・同僚となる人と選考中にも話ができて、入社前に社内の雰囲気が分かると思いました。また、『ノルマが厳しくなければ、殺伐とした雰囲気にはならないだろう』とも考えていて。面接官の話などから職場の人間関係や社風を確認して、気に入った会社に転職することになりました」
2社目では、明るく気さくな社内のメンバーに囲まれ、居心地よく仕事に打ち込めるようになったと話す佐々木さん。オフィス向けの賃貸不動産営業の仕事自体も、肌に合っていた。
「前職はルートセールスが主な仕事でしたから、営業職らしい達成感を味わえる環境ではありませんでした。でも、不動産仲介業は契約が成約すれば目の前でオーナーやテナントの皆さんが喜ぶ姿を目にすることができるので、やりがいは大きかったですね」
しかし、「順調な日々はあまり長くは続かなかった」と佐々木さん。せっかく仕事への意欲が増していた時だったにも関わらず、会社の業績が急速に傾いてしまったのだ。入社から約1年半後のある日、佐々木さんは上司から驚くような話を聞かされる。それは「来月の給与の支払いが滞るかもしれない」という衝撃的な内容。佐々木さんは、退職を余儀なくされることになった。
もう二度と、人間関係や会社の業績不振に悩まされたくない
2度目の転職活動を開始することになった佐々木さん。不動産以外の業種や職種も検討してみたが、この1年半の経験を捨ててまで手に入れたいキャリアだとは思えなかった。
「そんな時、すでに会社を辞めてオフィスR&Mに勤めていた先輩が、『うちにこないか?』と誘ってくれたんです」
その先輩によると、会社の業績が良く、社員も明るくのびのび働いている環境だと聞き、俄然興味が湧いた。
「不動産仲介営業でもっと経験を積みたかったですし、二度と職場の人間関係に悩んだり、会社の業績不振で仕事を辞めたりしたくありません。これから転職活動に本腰を入れようと思っていたタイミングで良い話をいただけたので、『ぜひ面接を受けさせてほしい』とお願いしました」
3社目となる次の会社では、腰を据えて長く働きたい。そう考えていた佐々木さんは、入社してから後悔することのないよう、オフィスR&Mの面接では気になることをとことん質問していった。
「その時は不動産仲介営業の楽しさに気付き始めていたので、『どのくらい裁量を与えてくれるか』『成果を出したらどのように評価してくれるか』といった、少し踏み込んだ内容についても臆せず聞くようにしました。すると、オフィスR&Mでは経営層が社員一人一人をすごく信頼していて、若手にもチャレンジングな仕事も任せてくれる会社だということがよく分かって。厳しいノルマで縛り付けることもなく、社員が自発的に切磋琢磨しながら頑張れる職場だと知ることができたんです。そういう環境なら、自分もやりがいを感じながら成長できけそうだなと思い、入社の意思が固まりました」
どんな質問にもストレートに答えてくれた面接担当の言葉は、いずれも納得感のあるものだったという。また、入社前にオフィス見学をさせてくれるオープンな社風も、オフィスR&Mへの入社を後押ししたそうだ。
不測の事態は起こるもの。でも、失敗の可能性を減らすことはできる
二度の転職を経て「ようやく自分に合った職場を見つけられました」と笑顔を見せる佐々木さん。改めて、転職活動成功の秘訣は何だったのだろうか。
「入ってみなければ分からないこと、経験してみなければ分からないことはありますが、事前にできる情報収集をしっかりしておけば、失敗の可能性は減らすことができます。転職経験者の話を聞くのもとても参考になりますし、面接などでも積極的にコミュニケーションを取れば、相手の印象からその企業とのカルチャーフィットも確認できます。
僕の場合はオフィスR&Mで面接した際に、自分が最も大事にしたいと思っていた『職場の雰囲気』や、『業績』、『働き方』などを遠慮せずに確認し、全て納得した上で入社を決めることができたこともとも、後悔しない転職ができたポイントだと思います」
さらに、転職活動に臨む際には、自分の中にある先入観や偏見が払拭し、会社選びの選択肢を広げることも大切だと佐々木さんは話す。
「不動産業界の営業は、“ブラック”なイメージを持たれがちですが、全ての会社が営業をノルマで縛りつけたり、激しいプレッシャーで追い詰めたりしているわけではありません。実際、残業もほとんどなくて、仕事は個人の裁量に任せてくれるオフィスR&Mのような会社も存在しますしね。偏ったイメージにとらわれると、せっかく訪れたチャンスをつかみ損ねてしまうかもしれません」
経験者や別の仕事に就いている人に話を聞いたり、面接官や上司となる人に対して、積極的に質問を投げかけたりすること。そうやってたくさんの情報に触れていけば、自ずと自分がどんな風に働きたいのか、理想とするものは何なのかも見えてくる。そういった地道な情報収集を怠らなかったからこそ、佐々木さんは20代のうちに、自分にとって最良の職場を見つけることができたのだ。
転職時期:社会人3年目(24歳)
活動期間:2カ月
応募企業数:3社(内定を得た時点で他社の選考を辞退)
内定社数:1社
転職活動でやってよかったこと:できる限りの情報収集をすること
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/吉永和久
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