メルカリ人事が採用面接で必ずする質問は? “一緒に働きたい人”の条件を聞いてみた【石黒卓弥×藤原和博】
教育改革実践家の藤原和博さんが、経営のプロフェッショナルをゲストに迎え、「働く力」について考えるtypeの動画コンテンツ「10年後、君に仕事はあるのか?」。
今回のテーマは「変化の時代の人事戦略」。
20代が転職したい会社として常に高い人気を誇る企業・株式会社メルカリ People Partners(人事担当)マネージャーの石黒卓弥さんをゲストに迎えた。
記事後半の本記事では、同社で数多くの面接を担当してきた石黒さんに、面接時に必ず質問していることを教えてもらった。
>前半の記事:あっという間に消えた“フルーツ施策”って!? メルカリ人事・石黒卓弥が明かす制度づくりの失敗と挑戦
「今まで一番“GO Bold”な挑戦は何ですか?」
石黒さんが採用面接をする際にどんなことを聞くのか、応募者のどこを見てるのか、教えてもらえますか?
メルカリが大切にしている“3つのバリュー”が評価軸にあります。1つは「Go Bold(大胆にやろう)」。2つ目が「All for One(全ては成功のために)」
「All for one, One for all」って、ラグビーでよく使われる言葉ですね。
そうです。ただ間違えてほしくないのは 「All for one, One for all」 というのは決して「仲良くやろう」という意味ではないということ。All for oneのOneとは「success(成功)」なんです。成功のために必要なことをちゃんとできるか、という点を重視しています。
なるほど。
そうですね。例えば、相手が上司であっても間違ったことを言っていたらそれを指摘できるか、といったこともそれに含まれます。
そして3つ目が「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」ということ。入社後も自分の専門性を磨いていってほしいですからね。この3つのバリューに沿って面接の質問や評価項目を考えています。
例えば僕が応募するとするじゃないですか。石黒さんが面接官だったら、具体的に何を聞きますか?
今までに最も「Go Bold」だったチャレンジを教えてくださいって、聞きます。
Go Boldか。大胆なチャレンジって聞かれると、少し困っちゃうかも(笑)
そうですね。でもそれは結果が「失敗」でもいいんですよ。どんなチャレンジ、どんなトライをしましたか? そこから何を学んでどう次に生かしましたか? といったことを聞きたいんです。
そうか、失敗でもいいんですね。例えば「大学でイベントを仕掛けたんだけど、集客2000人のつもりで会場を抑えたら20人しか来ませんでした」みたいなことでも、ちゃんと語れていればいい?
まさにそうです。
そこから何を学んだか、次に何をするかが大事だと。
はい。皆、失敗したら怖いから挑戦しなくなると思うんですけど、僕は失敗したとしてもそこから何かを学べば良いと思っています。「私は失敗したことがない、成功しない方法を見出しているだけだ」って言葉があると思うんですけど、まさにその通りで、失敗ではなく学びだと捉えた方がいい。
だから若手には、何回も何回もトライして、チャレンジできる環境を選んでほしいですし、バッターボックスに立ってバットを振る経験を積んでほしいと思っています。
いいですね。
そのPDCAサイクルが早いとさらに良いと思います。トライをして、何を学んで、次のアクションを起こすのかっていうのが自分の中に根付いている人。
そこでもスピーディーさが求められるんですね。
面接では「仕事を通して何を学んだか」をちゃんと語れるようにした方がいいし、失敗の話でも面白おかしくできるんだったらそれをアピールした方がいいと。
そうです。あとは自分で失敗した経験が、「その仕事を任されたから」ではなくて「自分から手を入れた」だとより良いと思います。
なるほどね。そういう「チャレンジできる人」を石黒さんはどうやって見分けているんでしょう?
「一人でやったチャレンジ」って実はあまりなくて、基本的にはチーム単位で挑戦することが多いと思うので、「その時にあなたはどんな役割でしたか」って質問するようにしていますね。
「新規事業の立ち上げをしました」とかよく言うけど、じゃああなたはどの役割やったんですかと。営業なのか、編集なのかって。
はい、それがサポーティブな役割だったとしても、ちゃんと自分の話ができれば問題ないと思います。仕事をする上では、「そこから何を学んだのか」が最も大事なことですね
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企画・撮影協力/(株)ビジネス・ブレークスルー
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