スキルアップ Vol.130

刺激的な仲間が多いベンチャー企業で「人間関係構築力」を磨く

同僚も、友達も、お客さんも、全部ボクらの人脈だ!
営業マンの“つながリスト”
“つながリスト”――それは営業マンにとって必須の「人脈のリスト」のこと。仕事ではどうしても顧客リストばかり増やしがちだが、実は大事なのって利害関係を越えた横のつながり。現役営業マンたちをリレー形式でつないで、等身大の人脈構築ノウハウを学ぶ!
リレーションズ株式会社 尾崎俊介(おざき・しゅんすけ)さん

リレーションズ株式会社 コンサルティング事業部
尾崎俊介(おざき・しゅんすけ)さん

東京都出身。28歳。好きなことは「人と話すこと」。新しいことを生みだすのが好きで、ルールに縛られるのは苦手だそう。一方で、お互いを高め合うようなチームプレイは得意

つながり№006
決定権を持つ相手へ営業を行うことが、効率的な営業の秘訣

Q.1 営業スタイルは?

当社では、“BtoBの領域において発生するマイナスをプラスにする瞬間を生み出し続ける”ことを重視したさまざまな事業を展開しています。その中で、私の現在の業務はスーパーなどの小売業へ、コスト改善のためのコンサルティングを行うこと。年商で100億円~3000億円規模の会社がメインターゲットで、私自身は通常のコンサルティング業務に加え新規の営業活動も行っています。備品などの細かなコストについて、「私たちが入ると年間でこのくらいのコスト改善や運用体制の見直しが可能です」といった、経費体制見直しの提案から営業がスタートします。

例えば、複合機などのプリンターは、サプライヤーや地域で契約価格にばらつきがあります。ただ、実際はもっとお客さまの業務形態に合った契約ができるのに、BtoB特有の長期契約のため上手く経費を圧縮出来ていないケースなどがあります。そこで、プリンターやその他の店舗運営に関わる経費など、一見すると非常に細かな部分ですが年間にすると大きな費用になるものを抽出。よりコスト改善が期待できる項目をまとめてパッケージ化し、具体的に年間でどれくらいの改善が実現可能かということを具体的な金額や運用改善案を絡めて提案をします。顧客の事業成長に対してどんな協力ができるのかをしっかり伝えることが重要ですね。

Q.2 仕事での“つながリスト”を教えてください。

効率の良い営業を行うには、なるべく意思決定を行える方にお会いすることが大事。そのため、中小企業のオーナーや取締役以上の経営陣と人脈のある銀行関係やリース関係の方にお客さまを紹介していただくことが多いのですが、そういった方とは個人的に飲むこともありますね。

また、社内の人間関係にはなりますが、当社で働く人たちからは個人的にすごく刺激を受けます。特に社長は、いわゆる“ベンチャー企業の代表”といったギラギラしたイメージとは真逆で、物腰が柔らかく本当にフラットに接することができる人です。私も、将来的には独立を考えていて、社内の人間との接し方という面で大変参考にしています。

Q.3 新しい“つながリスト”の作り方は?

尾崎さんもよくチェックするという、リレーションズの新サービス「SELECK」。“企業の知”を蓄積し、「企業がどのような“選択”をしているか」という現場ノウハウを配信中

尾崎さんもよくチェックするという、リレーションズの新サービス『SELECK』。“企業の知”を蓄積し、「企業がどのような“選択”をしているか」という現場ノウハウを配信中

会社の先輩が飲んでいる場には、たとえ他の方が知らない人でも顔を出しますね。先輩の紹介なので、面白い人に会えるのでは、と刺激を求めに行きます(笑)。

先日は、現役の格闘家と飲みましたね。同い年ですが、彼は郵便局で働きながら活動を続けているそうです。30歳近くになると、「いくら稼いでいるか」より、家庭を持ちながらでも、自分の夢を持ち続け、それを叶えるために前向きに動き出している方がすごいなって思います。

Q.4 SNSの“つながリスト”を教えてください。

最近、SNSはあまり好きではないんです。以前、就職の採用結果などをSNSで連絡してくる会社もあったのですが、仕事とプライベートの顔が違うことは普通だと思うので、そういう公私混同が苦手ですね……。
ただ、知人との連絡用にLINEはよく使います。つながっている友達は300人くらいですかね。これもプライベートと分けたいので、社内での連絡には『Slack』を使っています。添付や検索が容易なので、事業部ごとにチャンネルを作って活用しています。

Q.5 営業としての“テッパンネタ”ってありますか?

前職では大手商社に勤めていましたので、海外出張の時の話は得意ですね。
アジアだと、ジャカルタやマニラ、バンコクなどへ行きました。ラスベガスなどへも行っているので、旅行好きの人には観光案内には載っていない情報を加えて、「●●は楽しいですよ」と勧めたりしています。
個人的に好きな国はインドネシア。ジャカルタの人たちが優しくて、とても楽しかったですね。

Q.6 同世代営業職の“つながリスト”と盛り上がる話題は?

社内の話ではありますが、新しい技術やツール、最新のベンチャー企業の動向などを話しています。どういう思考やロジックで開発を行っているのか考えていますね。そういった情報は社内で共有しているのですが、みんな向上心が高くて飲み会でもそんな話が多いです(笑)。
また、近々結婚を考えているので、今回紹介していただいた福田さんなど身近な人にはプライベートな相談をすることも多いですね。

Q.7 移動中の愛読書を教えてください。

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)
以前、私生活での環境の変化があった頃に、自分の内面を見つめるようになったのですが、村上春樹の作品からは非常に刺激を受けています。この本は対人関係のトラウマをベースにした話で、誰しもが感じたことのある「対人関係での居心地の良さ・悪さ」との向き合い方がテーマになっています。だから世界中の人に共感される作品なのだと思います。

Q.8 前回の“つながリスト”福田さんによると 「ひょうきんな一方、縁の下の力持ちとして常に周囲への気遣いも忘れない」とのことでしたが……。

ほめていただいてありがとうございます(笑)。福田さんは中学の頃から知り合いですが、ストイックで記憶力が良い印象があります。また、まっすぐな性格でかわいいキャラクターなので仲間内でも愛されていましたね。現在も一緒にサッカーをしていて、本当に良い仲間です!

取材・文/questroom inc.、 撮影/柴田ひろあき


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