トレンド Vol.950

マッチングアプリの“プロフィール添削のプロ”が見せる神業「アピールポイントがない。そんな時こそ腕の見せ所」

プロゲーマー、ヴァーチャルアイドル、オンラインサロン主など、これまでになかった新しい仕事で活躍している人にフォーカス! どんな仕事で、どうやって稼いで、どんなやりがいがあるのか。そして、この先に描いている未来とは? 新時代の新しい仕事をのぞいてみよう!

20’sにとってすっかり身近になったマッチングアプリ。たくさんの人が登録している中で、自分に興味を持ってもらうために重要な役割を果たすのがプロフィール文だ。

ただ、プロフィールにどんなことを書けばいいのか、そもそも自分のアピールポイントはどこなのか。プロフィール記入画面を前に途方に暮れてしまう人もいるのでは?

そんな人の手助けをしているのが、おとうふさんだ。マッチングアプリのプロフィール添削・代筆を中心に、悩める男女にアドバイスをしている。

一見誰でもできる簡単な仕事のように思えるが、実はなかなかの職人技。「自分の仕事がここまで大きな力を持つとは、正直思わなかった」と話す、この仕事の奥深さを覗いてみよう。

プロフィール画像
プロフィール画像

おとうふさん(@o10fusanガールズバンドでのドラム担当や中学校の英語教師など、さまざまな経験を経て、現在はフリーランスでマッチングアプリのプロフィール添削・代筆を行っている。マッチングアプリのヘビーユーザーとして計300人以上と出会ってきた経験から、Twitterでは恋愛についての発信もしている


仕事内容

マッチングアプリに関するアドバイスを行なっている。中心となるのは、プロフィールの添削・代筆サービス。添削の場合は相手から送付されたプロフィールを直し、代筆の場合はおとうふさんが相手に質問を送り、その回答を元にプロフィールを作成する。

他にマッチングアプリに関するセミナー登壇や恋愛関係の記事執筆、テレビなどの取材を受けることも。

収入

月収:普通の会社員の月収くらい
「会社員の時よりはもらっていて、月によってテレビなどの仕事が入るともうちょっと増える感じです。仕事をする時間自体は増えていますが、プロフィール作成は作品を作っているような感覚。楽しいですし、労働時間はあまり気にしていないですね」

ユーザーとして約300人と出会い、月に2000人以上から「いいね」をもらった

おとうふさんが今の仕事を始めたのは約2年前のこと。それまでは、いちマッチングアプリユーザーの会社員だった。

おとうふさん

3~4年やり込んでいて、約20種類のアプリを使っておよそ300人とお会いしました。月に2000人以上から「いいね」をもらって、アプリ内のランキングで当時住んでいたエリアの人気1位になったこともあります。

それほどまでにマッチングアプリに熱中した理由の一つは、「モテない」というコンプレックス。そこに元々の「オタク気質な性格」が相まってのことだった。

おとうふさん

マッチングアプリは工夫次第で「いいね」がもらえるんです。うれしいし、承認欲求が満たされるし、しかも数字が明確に見えるのが楽しくて。「どうしたらもっといいねが増えるかな?」と、ゲーム感覚で試行錯誤していくうちにのめり込んでいました(笑)

「いいね」を集め、マッチングアプリ上で人気になるためのノウハウを得ていったおとうふさん。マッチングアプリを使い始めて2年ほどたった頃から、だんだんと婚活よりも「ビジネスとして面白いことができそう」という気持ちが大きくなっていった。

そこで約2年前から、スキルや経験をサービスとして出品できる『ココナラ』で「プロフィール添削・代筆サービス」の出品を開始。

『ココナラ』の「おとうふ ペアーズの赤ペン先生」

『ココナラ』の「おとうふ ペアーズの赤ペン先生

おとうふさん

私、元々研究熱心な性格で。マッチングアプリをやり込むように、ココナラ攻略のコツもつかめてきて。そうやってコツコツやっていたらマッチングアプリのプロフィール写真に特化した出張撮影サービス『Photojoy』さんから業務提携の話をいただきました。そこで思い切って会社を辞め、今年の4月に独立しました。

「100点のプロフィール」は目指さない

プロフィール添削・代筆サービスを開始した当初から、手応えを感じていたというおとうふさん。「初めていいねが付きました」「恋人ができました」など、のちに連絡がくることも多いという。

おとうふさん

マッチングアプリでお客さんを発見することがあって、自分の目でお客さんのいいねが増えているのを見た時はすごくやりがいを感じます。人気会員ランキングで10位以内に入ることも多いんですよ。

仕事の面白さは、いろんな人から依頼があること。実家暮らしのフリーターからお金持ちの起業家まで、さまざまな悩める男女がおとうふさんのところへ相談にくる。

おとうふさん

性格はもちろん、恋愛がうまくいかない理由も一人ずつ違う。送られてくるプロフィールも「一つも良いところが思い浮かばない」という人もいれば、自分の長所をズラーっと書く人もいる。仕事もさまざまですし、知的好奇心が満たされる楽しさがあります。

プロフィール添削・代筆を依頼してくる人の中には、恋愛に対する苦手意識を持っている人もいる。実際に特別目立ったアピールポイントがなかったり、女性に好かれにくい特性を持っていたりすることもある。そんなときこそ、おとうふさんの腕の見せ所だ。

おとうふさん

本人が短所だと思っていることもリフレーミング(物事を見る枠組みを変えて、別の枠組みで見直すこと)すれば、長所になるんですよ。例えば「真面目」は恋愛の場では「堅苦しい」「つまらない」と捉えられてしまうこともありますけど、「一途」「一つのことに打ち込める」と言い換えることもできます。

メリット・デメリット
おとうふさん

他にも「真面目に見られるんですが、意外と抜けているところがあります」とギャップの材料にしたり、「仕事は真面目だけどプライベートではのんびりしてます」など、いろんな面があるアピールにしたりもできますよね。

プロフィールには、やりとりをする中でおとうふさんが感じたことも交えている。連絡が丁寧な人であれば「丁寧に物事に取り組むと言われます」など、第三者の客観的な目線も大事にしているという。

おとうふさん

自分の思っている自分像は、案外他人から見た自分像とはかけ離れているもの。だからこそ、お金を払ってでも他人にプロフィール作成をお願いする価値があるのかなと感じています。

ただし、あくまでおとうふさんは影の存在。プロフィールと本人のギャップがないように「本人になりきって書く」ことも重要だ。

おとうふさん

作成したプロフィールに対して、「僕はこんな面白いこと言えません」というクレームをいただいたことがあって。結局プロフィールは出会いのきっかけであり、私が書いたものがどんなに良くても、実際に会った時の印象とのギャップが大きかったら意味がないんですよね。

そう気付いてからは、「100点のプロフィール」を目指すのを止めた。

おとうふさん

お客さんは必ずしも100点を取りたいわけではなく、マイナスの状態をゼロにできたらいいという方もいる。今はその方の状態に合わせて、少しでも前に進めるような後押しができたらと考えています。

「ステレオタイプのモテ」ではなく、それぞれの魅力に気付いてほしい

おとうふさんがやりたいのは、より良いプロフィールを作ることではなく、一人でも多くの人に、自信を持ってもらうこと。「主体的に人生を生きるためにも、自分に自信を持つことがすごく大切」とおとうふさんは語る。

おとうふさん

自信といっても大袈裟なことじゃなくて、「こんな自分も悪くないな」って思えるくらいで十分。私は長所とか短所ってないと思っていて、モテる女性像・男性像はあるけれど、本当は一人一人違った魅力があるはず。私が携わる人には、それぞれの魅力に気付いてほしいんです。

おとうふさん

そのきっかけをプロフィールを通じて与えられればと思っていますし、「恋愛だけじゃなく、仕事でも自信を持てるようになった」と言ってもらえると、人生単位で人に影響を与えられているのを感じます。

かつておとうふさん自身が抱いていた「モテないコンプレックス」を、今はおとうふさんが解消する手助けをしている。そしておとうふさんもまた、この仕事を通じて「ステレオタイプのモテ」から解放されつつあるという。

おとうふさん

私自身、「白いニットで合コンに行く」みたいなモテへの意識があったんですけど、最近は自分が好きな黒い服を着たっていいじゃんって思えるようになりました。自分が明るい気持ちになって、結果として魅力的に見えるんだったら、そっちの方がいい。この活動を通じて、固定概念が少しずつ崩れていったように思います。

「ここまで自分の仕事が大きな力を持つとは、正直思わなかった」とおとうふさん。この先やりたいのは、より影響力を持った人になること。そして、かつての自分と同じく息苦しさやコンプレックスに悩む人たちに、前向きになるためのパワーを発信することだ。

おとうふさん

私自身、他人の生き方を見て救われた経験があって。今度は自分が誰かの太陽になりたいというか、「私も頑張ろう」と思ってもらえる存在になりたいんです。生き方で誰かの背中を押せる人になりたいですね。

おとうふさんのツイート

元ツイートはこちら

おとうふさん

近い未来の話で言うと、今後は後継者を育てていきたいです。そうやってより多くの人が前向きになるサポートをしていきたい。プロフィールに限らず、自分に自信が持てない人や、恋愛に前向きになれない人をサポートできるような事業を展開していけたらと思っています。

取材・文/天野夏海 編集/川松敬規(編集部)


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