欲張りな技術者も思わず納得、な職場。




澤田 寛氏
デジタルアーツ株式会社
開発本部 開発第二部
課長兼 技術管理責任者
大学卒業後、大手ゲームソフト開発会社に契約社員として入社し、次世代ゲーム機の開発に携わる。1997年にデジタルアーツへ転職。創業2期目のコアメンバーとしてソフトウエア開発を手がけ、現在は技術面の統括責任者も務める
開発陣のオフィスと社長室は同じフロアにあり、仕事現場に社長が顔を出すことも多い
有害なWebサイトへのアクセスを制限する『i-フィルター』の開発で脚光を浴びるベンチャー企業のデジタルアーツで、開発陣をリードする澤田寛氏。会社の黎明期から現場を支えてきた経験から、モノづくりには「自由な発想が欠かせない」と話す。

「企画からプログラミング、マニュアル作り、販売まですべてに技術者が携わっていた創業時のように、モノづくりそのものを楽しめるような環境を大切にしてきました」  

しかし、創業当時はたった数人だった同社の開発陣は、製品の普及と市場の拡大で約40名に増え、業務は細分化され始めている。また、『i-フィルター』の導入サポートなど、保守・運用の業務も増えた。そんななか、開発スタッフのモノづくりそのものに対するモチベーションを高めるために昨年から始まったのが、現場主導の「アイデア発表会」だ。  

「ユーザーの『困った!』を解決するというのが『i-フィルター』開発の原点。ですからこの会議でも、技術者自身がインターネットを使うときに『困った』と感じることをブレストするのです」  

四半期に1度程度催されるこの会議でアイデアが承諾されれば、自らがリーダーとなって既存品のバージョン変更や新製品開発を手掛けることができる。社長である道具登志夫氏が顔を出す機会も多く、即断即決でプロジェクトがスタートすることもあるという。

「実は私も、この場を活かして温めてきたアイデアを形にするような製品の開発をやってみたいなと思っているんですよ」

まずは思いついたことをやってみる、という同社の開発スタンスが、澤田氏の夢を後押しする。




開発合宿中の風景。社長である近藤淳也氏も交え、喧々諤々の議論が行われる
水野貴明氏
株式会社はてな
大学院時代は分子生物学を専攻。DNA解析の研究時にスクリプト言語のPerlに出会う。大手出版社系のソフトウエア会社に7年半勤めたのち、2000年9月にはてなに入社。社外では技術ライターとしても活躍中
「ちょうど来週も行くんですよ。次回は房総半島の最南端。3度目の参加になります」。そう話すのは「人力検索はてな」をはじめとするユニークなサービスを提供するはてなで、「はてなダイアリー」のサブディレクターを務める水野貴明氏。こぼれる笑みの理由は、はてな独特の「開発合宿」だ。 

たとえばサービスの大規模なリニューアル時。同じ目的を持つエンジニア数人が、車で海や山の保養地を目指す。「車に乗った瞬間からが合宿です。車内で各々のタスクを明確にし、現地に着いたら即、開発に取りかかります」。朝9時半から夜7時まで、日常とは離れた環境のなかで開発だけに没頭する。オフィスと違い、電話やクレーム対応による中断もないから集中できる。

「全員が同じ場所にいるため、意思決定も2〜3秒。普段の何倍ものスピードで開発が進みますね」 

この2泊3日程度の濃厚な「開発合宿」が月1〜2度は行なわれる。はてなが次々と打ち出す新サービス、リニューアルの原動力だ。 

2人並んで1台のPCで交互にプログラミングする「ペアプログラミング」も興味深い。意外にも(?)「1人でやるのに比べ5倍ははかどります」(水野氏)という。こうしたスピード感のベースにあるのが、社内の意思決定の透明さだ。役員会議は録音され、サーバにアップロード。その内容は社員の誰もが聴取可能だ。また、サービスの行く末を決める「アイデアミーティング」はポッドキャストで一般にもWeb公開されている。「はてなは超ハイレベルな技術オタクの集まり」と話す水野氏。そんな技術オタクたちの力をフルに引き出しているのが、このオープンな文化なのだ。



溝上弘起氏
株式会社インサイトテクノロジー
コンサルティング事業部
2004年3月に大学を卒業後、父親が経営する専門商社で営業に従事。その後、ITコンサルタントへの転進を決意し、05年12月にインサイトテクノロジーに入社。現在はデータベース技術の勉強をしながらコンサルタント修行の身
分からないことがあれば、まず先輩技術者に聞く。同社内ではよく目にする光景だ
大学は文系学部を卒業、前職は営業職。そんな技術の素人が、入社後たった半年足らずで顧客の前でプレゼンを行う。インサイトテクノロジーの溝上弘起氏は、そんな現実離れしたスピードでコンサルタントデビューを果たした。溝上氏が驚異的な速さで成長できたのは、ひとえに周りの先輩たちの教育ゆえ。オラクル製品のパフォーマンス管理を行う自社パッケージ『Performance Insight』などを提供し、データベース分野のスペシャリスト集団として知られる同社には、未経験者でも技術のプロに育てる風土があるのだ。

「入社後しばらくは、自分でテストを行いながらイチから技術の勉強をしていました。そこでエラーを起こすと、先輩たちがその原因をキチンと道筋を立てて説明してくれたので、合理的に仕組みを覚えていくことができたんです」

顧客のシステムにDBをインストールするときも、ある程度溝上氏に任せつつ、問題が起きたら先輩がリカバリーして作業が進められた。この「まずはやらせる」というやり方がとにかく徹底している。

「毎週月曜に全員参加の定例会があるのですが、ここで社員がやりたいことを発表すると、その場でゴーサインが出ることもあります。先日も、海外の開発拠点に行ってみたいというエンジニアの要望を即座に承諾して、翌週インド出張に出したなんてことがありましたね」

溝上氏が自身で考えた「教育プラン」を会社に提出し、そのリクエストどおりに先輩たちによる“夜間勉強会”がセッティングされたことも、社員の自主性を何よりも尊重する同社の社風を象徴するエピソードといえるだろう。目指す方向性さえ明確ならば、会社を挙げてサポートする。そんな文化が根付いているのだ。


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