「社員想い」って、たとえばこんな制度。




 
山根隆宏氏
アバナード株式会社
プリンシパル・ソリューション・デベロッパー
アバナードは、コンサルティング会社大手のアクセンチュアとマイクロソフト(以下MS)の共同出資によって設立された、MSソリューションに特化した技術者集団。同社がグローバルで導入しているのが、先輩社員が後輩のキャリアに責任を持つ「キャリアマネージャー制度」だ。その内容を山根隆宏氏はこう説明する。

「『キャリアマネージャー』になった社員は、最大で5人の後輩に対して通期の目標設定や必要な教育研修のプランニングをサポートします。これを会社として最優先業務のひとつに定めているのがポイント。当社は社員のスキルアップのために年80〜120時間、研修を受けることを推奨していますが、マインド面からもそれを支援しているわけです」

ちなみに同社の研修では、アクセンチュアのコンサルティングノウハウとマイクロソフトの最新技術を組み合わせた独自の方法論である「ACM(Avanade Connected Methodology)」や、その実行アーキテクチャの「ACA .NET(Avanade Connected Architecture)」に関するような専門技術研修のほか、リーダーシップ研修、MCP取得支援など幅広い内容が網羅されている。

なお、こうしたキャリア支援に対する努力は、制度面の整備だけにとどまらない。アバナードではグローバルレベルでのコミュニティが活発で、いろいろなテーマに関して世界中にいるアバナードのスペシャリストと質疑応答ができたり、社員は「MSDN(MSのソフトウエア開発者向けサポートサービス)」へフリーアクセスできるなど、環境面の整備も磐石だ。

「たとえば『.NETコミュニティ』では、多い日で120通ものメールが飛び交うことも。最新技術を極めたいという技術者には格好の環境だと自負しています」





社員それぞれのキャリア目標を実現させるべく、社内・社外でさまざまな研修を用意している

川ア工三氏
株式会社アイ・エス・ビー
管理本部 人事部
執行役員 部長
携帯電話の黎明期から通信制御系技術を手がけてきたアイ・エス・ビー。1970年の創立以来、独立系SI企業として幅広いフィールドでその技術力を発揮している。

歴史があるだけに、IT技術者の「人生」との付き合いも長い。人事部長の川ア工三氏は次のように語る。  

「我々は技術者のキャリアを『マーケットバリュー』という視点で考えています。1人ひとりの人生のなかで、アイ・エス・ビーをどう活用してもらうかをテーマに、制度面を整備してきました」  

こうした発想により、技術者の市場価値と生涯価値をコンセプトに練り上げてきたのが、同社の教育研修プランだ(上図参照)。

「教育制度が有効に働く前提となっているのが『目標管理制度』。会社側から組織目標を明確に示したうえで、社員1人ひとりが『足りないもの』『求められているもの』を自覚し、目標を設定します」  

この目標設定で何より重視されるのが、上司と部下の徹底的な話し合いだ。  

「前期の目標達成の度合いを評価し、現状のスキルを確認し、次の目標を設定する―通称『フィードバック面接』を通して、上司は“育て方”を、部下は“育ち方”をとことん話し合い、結果を『教育計画』として約束します」  

社員にはこの計画に応じて各種研修を提供するわけだが、「業務が多忙で研修が受けられない」というありがちな事態はほぼないという。  

「ちなみにこのフィードバック面接は、従業員700人全員が受けています。社員は1人の例外もなく、上司に悩みや意見をぶつける機会が得られるわけです」  

評価者と納得ゆくまで話し合える環境があるからこそ、制度が本来の力を発揮するのだ。


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