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川上真史氏
ワトソンワイアット株式会社 コンサルタント
早稲田大学 文学部 心理学教室 非常勤講師
ビジネスブレークスルー大学院大学 教授 |
大学卒業後、産能総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、ワトソンワイアットへ。97年、武田薬品工業の人事制度改革にコンピテンシーを導入し成功を収める。03年より早稲田大学にて産業心理を、05年よりビジネスブレークスルー大学院大学でMBAのコースを教えている。日本におけるコンピテンシー研究に関する第一人者 |
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優秀なのに成果が上がらない人がいる一方、必ず高い成果を上げる人がいる。その違いを探るべく、注目されてきたのがコンピテンシーだ。コンピテンシーの定義とは、本来、「持てる能力をフルに活用して外界にアプローチし、成果を生み出しやすい環境に変えていく能力的な特性」というもの。転じて日本では、成果につながる行動特性を指す意味で使われている。
この行動特性に注目し、企業で活用できるツールに発展させて日本に紹介したのが、現在ワトソンワイアットで人事コンサルタントとして活躍中の川上真史氏だ。川上氏が成果を出す人の前提条件として挙げるのが、「ジョブエンゲージメント(=仕事へののめり込み)」の概念だ。
「仕事にのめり込める人は極度に高い業績を上げます。また、仕事にのめり込める人は、その仕事を楽しいと感じていることもわかっています。現状が楽しくないなら、仕事を楽しめる環境を自ら作り出すことが大切。その行動こそ成果を生み出すコンピテンシーなのです」
ただし、同じ職務のなかでもコンピテンシーを発揮できる仕事とそうでない仕事があると川上氏。現在は、この「場面特異性」について研究調査が進んでいるところだという。
近年、コンピテンシーに関する研究はさらに進み、成果を出す人間にはさまざまな特性があることがわかってきている。前項で述べた「コミュニケーション」、「マネジメント」、「交渉・折衝」にも、それぞれに必要なコンピテンシーがある。
まずは、下のチェックシートでそれぞれのスキルについて、自分のコンピテンシーを分析してみてほしい。チェックを終えたら次ページ下にある解説に進み、それぞれのスキルに対する理解を深めていこう。 |
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