ここ数年、かなりの勢いで伸びてきた技術者の求人数。バブルといってよいほどの勢いだったが、急激な伸びは年末をもってひと段落との見方が出てきた。大手メーカーの内外での設備投資計画が、原油高や金利上昇などの不確定要因もあり、来年以降はどのような計画にするか決めかねている企業が多いからだ。もっとも、求人意欲が来年以降はかなり落ちてしまうということは考えられないが、転職をするなら年内が有利といえる状況だ。 |
外資系も国内企業も年内を区切りとして採用枠の決定や採用活動を行なう会社が多い。したがって、12月の内定、1月入社というスケジュールで動くと、駆け込み的に採用が決まることもあり有利だ。ただし、12月後半は休みが多く、役員面接がアレンジできないと内定は翌年に持ち越しとなり、内定を獲得するうえでは不利になることも。12月後半は入社手続きが始められるよう余裕を持って、秋口早めに動き出すのがベストだ。 |
メーカーの景気回復に合わせて技術者への採用ニーズはますます高まっているが、求められる専門技術やスキルのレベルも同時に高まっている。企業から見ると、必要なのに採れないという状況だ。だが、技術のスペックは下げられない。そこで、技術のスペックを下げる代わりに、英語のスペックを下げる、あるいは対象者の年齢を40歳まで上げるという企業が増加。英語力では読み書き必須だったのが、よほどの英語嫌いでなければ可という例も。この傾向は来年以降も継続する保証はないだけに、いまは転職の動きどきといえるだろう。 |
国内企業においては4月から新年度の評価が始まるため、4月入社がベストと思う人も多いだろう。しかし、1月に入社すると、4月から本格的にスタートを切ることになり、その間の3カ月間が助走期間になるため有利だ。また12月に前の会社でボーナスをもらい、1月から転職先に勤めると、給料やボーナスの途切れがないのも1月入社のメリット。正月休みに心機一転、リフレッシュできるのもうれしい。 |
団塊世代の大量退職が来年から始まる(07年問題)。家電やシステム業界での影響は少ないが、金属や造船業界など職人的な技術が求められるメーカーでは、技術の伝承が問題になっている。これらの業界はここ数年、好景気で技術者採用の意欲が強い。加えて来年から団塊世代の技術者の大量退職も始まる。この業界への転職を考えるなら、景気のいい今のうちがチャンスだ。 |