この秋が“動きどき”なこれだけの理由



いつかは転職したいと思っているが、なかなか具体的な行動に移せない―。

そんな技術者は意外と多いもの。だが、技術者にも確たる“売りどき”があることを考えると、ズルズルと重い腰を上げないままではいられないはず。

キャリアマートの西田智彦氏は、技術者の“売りどき”として年内がひとつ目安になる、と語る。

「技術者の求人数は3年前に比べ、圧倒的に増えていますが、今後の予測としては年末をもって求人数の伸びが落ち着くと見る向きがあります。激減するわけではないでしょうが、求人バブルはひと段落。理由は、各メーカーが昨年来から増やしていた工場などの設備投資が年末で落ち着くためです」

このため転職を考えているなら、今年の秋の選考に乗り、来年1月に入社するというスケジュールが望ましい。

「今年中の転職活動のほうが動きやすく、選択肢も多いといえるでしょう。特に、自動車の完成メーカーと部品供給メーカー、携帯関連メーカー、液晶関連メーカーの求人が豊富です」(西田氏)

1月入社に向けての転職活動には、年をまたぐ活動のリスクを減らすというメリットもある。ジェイ エイ シー ジャパンの山田広記氏はこう説明する。

「12月から1月に選考をまたぐと、企業の採用スタンスが変わり、本来降りるはずの採用の稟議が降りなくなってしまうこともたまにあるのです。したがって、12月中に内定を取るように動くのが好ましいといえます。そのためにも、10月上旬には応募するのが望ましいでしょう」

企業の採用活動は3カ月を目処に募集するサイクルがあるので、10〜12月の求人職種がその後も募集されるかどうかわからないという事情があるのだ。

「日系企業でも、1年を12月末で区切って年内に何人採用できたかを気にする会社が多い。だから12月末は駆け込み採用されやすいのです」(山田氏)

では採用側から見て、1月入社はどんな特徴を持つのか。デンソーで中途採用を担当する山北優介氏に聞いた。

「当社ではここ数年、中途採用に力を入れていますが、12月〜2月という冬の時期には毎年、年間の中途採用社員のうち約3分の1が入社しています。同期入社の仲間が多いという点では、精神的な励みになるかもしれませんね」

やはり冬のボーナス後の転職に向けて本腰を入れる技術者は多いようだ。

「とはいえ、売り手市場だからと安易に衝動に駆られたような転職はしないでほしいと思います。自分のやりたいことを実現する手段として転職することはよいとしても、転職そのものが目的になるのでは本末転倒ですからね」(山北氏)

10月から動き始めると、実質2カ月半が勝負。限りある時間だけに、集中して転職活動に打ち込むことができそうだ。

ここ数年、かなりの勢いで伸びてきた技術者の求人数。バブルといってよいほどの勢いだったが、急激な伸びは年末をもってひと段落との見方が出てきた。大手メーカーの内外での設備投資計画が、原油高や金利上昇などの不確定要因もあり、来年以降はどのような計画にするか決めかねている企業が多いからだ。もっとも、求人意欲が来年以降はかなり落ちてしまうということは考えられないが、転職をするなら年内が有利といえる状況だ。
外資系も国内企業も年内を区切りとして採用枠の決定や採用活動を行なう会社が多い。したがって、12月の内定、1月入社というスケジュールで動くと、駆け込み的に採用が決まることもあり有利だ。ただし、12月後半は休みが多く、役員面接がアレンジできないと内定は翌年に持ち越しとなり、内定を獲得するうえでは不利になることも。12月後半は入社手続きが始められるよう余裕を持って、秋口早めに動き出すのがベストだ。
メーカーの景気回復に合わせて技術者への採用ニーズはますます高まっているが、求められる専門技術やスキルのレベルも同時に高まっている。企業から見ると、必要なのに採れないという状況だ。だが、技術のスペックは下げられない。そこで、技術のスペックを下げる代わりに、英語のスペックを下げる、あるいは対象者の年齢を40歳まで上げるという企業が増加。英語力では読み書き必須だったのが、よほどの英語嫌いでなければ可という例も。この傾向は来年以降も継続する保証はないだけに、いまは転職の動きどきといえるだろう。
国内企業においては4月から新年度の評価が始まるため、4月入社がベストと思う人も多いだろう。しかし、1月に入社すると、4月から本格的にスタートを切ることになり、その間の3カ月間が助走期間になるため有利だ。また12月に前の会社でボーナスをもらい、1月から転職先に勤めると、給料やボーナスの途切れがないのも1月入社のメリット。正月休みに心機一転、リフレッシュできるのもうれしい。
団塊世代の大量退職が来年から始まる(07年問題)。家電やシステム業界での影響は少ないが、金属や造船業界など職人的な技術が求められるメーカーでは、技術の伝承が問題になっている。これらの業界はここ数年、好景気で技術者採用の意欲が強い。加えて来年から団塊世代の技術者の大量退職も始まる。この業界への転職を考えるなら、景気のいい今のうちがチャンスだ。


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