シチュエーション別に見る技術が伝えられる人伝えられない人の天国と地獄
コミュニケーションの場でちゃんと技術が伝えられるエンジニアと、伝えられないエンジニアの差は何なのか? ここではコミュニケーションにおける“ 天国と地獄”を紹介。成功のためには何が必要か、体験談から学ぼう!
Word/KOJI URANO.YASUNORI NARAHARA(E-type)
Photo/MAKOTO OSAWA.GENKI.TAKASHI TOGAWA
Illustration/SHOBU TSUCHIYA Styling/CHIKARA NAKAMURA Retouch/SHINYA |
● situation 02 部下への指導
三菱電機情報ネットワーク株式会社
野村 裕 氏
アプリケーションサービス事業部
東京アプリケーションサービス第一部 サービス第一課長
野村 裕 氏
アプリケーションサービス事業部
東京アプリケーションサービス第一部 サービス第一課長
私はこの失敗から学びました
部下が担当する業務でも自分が中心に動いてしまった |
部下にすべてを任せ一人前にするために心掛ける |
「他の大手企業同様、ホストコンピュータを中心とした基幹システムのダウンサイジングを行い、オープン系のアプリケーションを広域ネットワークで活用するクライアント/サーバー型のシステムを構築するプロジェクトです。サブチームのリーダーを務めましたが、人員配置を含めてスタッフの力量に合わせて役割分担することの大切さを学ぶ良い機会になりました」
リーダーになっても、ついつい自分で設計や作り込みをやってしまう。自ら技術、スキルを磨いてきた経験があるだけに、指示するよりも早くて確実と考えたのだ。「物理的に難しいことに加えて、若手が育たないことにも気付きました。それからは、業務を切り分けて割り振ることに専念するようになりましたね」
野村氏が心掛けているのは、常に部下の話をじっくり聞いた上で、客観的かつ公正に評価することだ。
「年度の始めと終わりには目標の設定と達成度を評価するために話し合う機会がありますが、そこで現状だけでなく中・長期的なビジョンについても話す。全員が決して望む業務を担当しているわけではないことを知っているからです」
顧客は複数のグループ会社で、受発注システムや在庫管理、資材関係や物流関係など多岐にわたる。自身がさまざまな業務の一つ一つを通してモチベーションを維持してきた経験を活かして話をする。「カベにぶつかっていたり、悩んでいることがあったら相談できるような雰囲気づくりを心掛けています。ヘコんだときこそ上司からのサポートやフォローアップが必要だと思うんですね。逆に皆がきちんとモチベーションを維持しているときは何も言わなくても大丈夫なんです」
若手スタッフに合わせてダーツやビリヤードを楽しむことも多い。自分から積極的に胸襟を開くことで、何でも話せるリーダーでいたいからだ。
「チームに30代が少ないという年代のギャップと、技術やスキルのギャップもある。そのギャップを埋めるためにも自分が両方の世代の橋渡し的な存在でいたいと思っていますね。華やかな仕事も地味な仕事も、成果の中身から公平に評価できる管理職が理想です」
野村氏が考える上司の役割は明確だ。仕事を通して若手を育成していく― 。その使命を果たす取り組みを続けている。
● situation 01 顧客編
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● situation 02 部下への指導
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個別に伝えることとメンバー全員に伝えるべきことをうまく使い分ける
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● situation 03 転職面接
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● situation 04 プライベート
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