シチュエーション別に見る技術が伝えられる人伝えられない人の天国と地獄
コミュニケーションの場でちゃんと技術が伝えられるエンジニアと、伝えられないエンジニアの差は何なのか? ここではコミュニケーションにおける“ 天国と地獄”を紹介。成功のためには何が必要か、体験談から学ぼう!
Word/KOJI URANO.YASUNORI NARAHARA(E-type)
Photo/MAKOTO OSAWA.GENKI.TAKASHI TOGAWA
Illustration/SHOBU TSUCHIYA Styling/CHIKARA NAKAMURA Retouch/SHINYA |
● situation 03 転職面接
トライアックス株式会社
安藤大輔 氏
システムインテグレーショングループ
コーディネーター
安藤大輔 氏
システムインテグレーショングループ
コーディネーター
私はこの失敗から学びました
先方からの質問の意図をしっかり把握しなかった |
逆に質問するなど一歩踏み込んだコミュニケーションを |
「前職で手掛けていたのは主にネットワークの管理や監視機能を持つシステムの開発。安定はしていましたが、どこか物足りなさを感じていました。もっと同年代の人たちが多い組織で、会社も自分もともに成長していける環境で働きたいと考えたのが転職のきっかけでした」
人材紹介会社を通して、ITベンチャーを中心に4?5社で面接を経験した。想定問答を考えるなど、ごく一般的な準備をしただけと話す安藤氏。しかし、「質問の意図を把握して的確に答えること」には細心の注意を払ったという。
「しっかり意識を集中していないと、表面的な質問に対してよくある答えをしてしまいがちです。こちらから質問をするなど、先方がどんな答えを期待しているのかを一歩踏み込んで明確にしてから答えるよう工夫しました」
彼が重視したのは面接する人が見せる一瞬の表情や言葉だ。自身の態度や言葉をどう感じているかを推測して言うべきことを考えるようにしたと話す。
「トライアックスでは現場のエンジニアや役員、人事担当者と3 度の面接があり、最初から印象が良くて友好的な雰囲気の中で話ができました。もちろん必要な経験やスキルも大切ですが、一緒に働く仲間という感覚を持ちましたね」
望む職場と望まれる人材との出会いの場がごく自然に生まれる― 。理想的な転職実現の典型的な瞬間だ。相互理解さえできれば、その後のステップもスムーズに進む。入社後に、自身がどんな環境でどんな働き方をするのかを具体的にイメージできるからだ。
「経営理念やビジョンにも共感していましたから、後は入社後にどんなポジションでどんな役割を果たすかを確認するだけで済みました。私の場合、そこで働く人たちや自分が働くことになる環境を面接の段階でしっかりイメージできたことが良かった。もちろん、私が目指すビジョンと会社の方向性がマッチしていたこともプラスになりました」
仕事が長引いて面接に遅れる連絡をした際、夜遅い時間になるにもかかわらず快く待っているという返事をもらったと安藤氏は振り返る。今、安藤氏自身も新卒での入社を希望する学生の面接を担当している。相互理解のためには双方が創意工夫することの大切さをあらためて感じているという。
● situation 01 顧客編
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● situation 02 部下への指導
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● situation 03 転職面接
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向かい合う相手が何を望んでいるか まず意図を確かめてから答えを出す
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● situation 04 プライベート
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