人材コンサルタントが収入UPの分岐点を指南! 技術者を悩ませる「究極の二択」

人材コンサルタントが収入UPの分岐点を指南! 技術者を悩ませる「究極の二択」
 

CASE1

三原和宏氏(33歳・仮名)

大手SIer時代の顧客先からスカウトされて、国内屈指の流通企業で社内SEに。総合職扱いで順調に昇給することが期待できる
社内SEの求人は少ないですが、システム全般の設計・構築を手掛けたことが評価されたケース。この立場なら、ITの活用を経営戦略に結び付けている企業ほど厚遇されます。一般事業で総合職として評価されますね(竹田氏)

CASE2

新藤 明氏(32歳・仮名)

現場主義を貫いてきたが、「32歳」時点で昇進し、ゼネラリストの方向へ。課長→部長→役員と進むキャリアアップを目指す
大手の典型的な年功序列を含めた昇進、昇格パターンです。ただし課長か次長か、部長か参事・参与かという分かれ道があって、それぞれ生涯賃金に差が出ます。当然ながら役員にまで出世できるのはほんのひと握りのエンジニアです(河辺氏)

CASE1

谷山尚子さん(31歳・仮名)

大手ベンダーから中堅規模のベンチャーへ。仕事の進め方が合わず3カ月で転職。前々職の業種に戻り、年収も同レベルに
もともとLinux系のプログラミングを手掛けていて、技術力も経験も十分だったんですが、大手ならではの手順や確認作業がベンチャーでは通用しなかったんですね。仕事の進め方で衝突して結局、再び転職しました(竹田氏)

CASE2

島田智裕氏(29歳・仮名)

大手半導体メーカーから小さな半導体製造装置メーカーへ。今までに蓄積した製品知識を活用し、会社の売り上げに大きく貢献
同じマーケットへ向けた同じ製品に詳しいという手腕が評価されれば、活躍次第ではベンチャーでも重用されます。ベンチャーは規模が小さい分、一人一人の裁量が大きい。やりがいや年収への影響も大きくなりますよね(河辺氏)
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大手を選ぶか、ベンチャーを選ぶか。ポイントになるのは組織の規模だけでなく、エンジニアの待遇や報酬を大きく左右する評価制度の有無、そしてその制度がきちんと運用されているかどうかだ。

「大手の利点は、立場は社内SEであっても総合職と同じ評価制度が適用されること。一般的に福利厚生面も充実しているので、ワークライフバランスを重視するエンジニアに向いています。谷山さんの場合は、大手とベンチャーで最も違う仕事のスタイルが決定的に合わなかったケース。これはどちらに非があるということではなく価値観の違いです。残念ながら企業にとってもエンジニアにとってもミスマッチだった事例ですね」(竹田氏)

モノづくり系の場合も、どんな働き方を望むか価値観が問われそうだ。

「大手の場合は、若手のうちから将来の自身の姿が見えますし、ベンチャーなら企業の将来性に賭けることができる。要はキャリアに対する“リスク”をどう考えるかですね」(河辺氏)

景気の浮き沈みや業績に左右されるのはどの企業にいても、どのマーケットに向き合っていても同じこと。エンジニアとしてどんな職場環境に身を置くことが自分自身にとって理想と言えるのかを考えることが稼ぐ技術者になる可能性を探るきっかけになると言えそうだ。


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