「初めての転職」平均応募数は5.4社
転職を考えて求人サイトで求人情報などを読み込んでいると興味がわく求人がいくつも見つかるかもしれない。全部応募したくなるだろうが、その一方で数を増やしすぎると転職活動が大変になるというデメリットもある。転職経験者は最初の転職で何社くらい応募しているのだろうか?
右のグラフは転職経験者の応募社数の割合を表したグラフだ。平均値を取ると5.4社となる始めての転職の応募求人数だが、「1社」と「11社以上」の比率が断トツに高いことが見て取れるだろう。
応募求人数が1社の人の割合が大きいことについては、1つには知り合いからの紹介などの「縁故転職」と、出向先から誘われたりヘッドハンティングで転職するような「引き抜き」といったケースが多く含まれるのではないかと考えられる。
ただし、「3社」や「5社」も11%と決して低い割合ではない。どうやら応募求人数は両端の割合が高いものの、全体としての傾向は特になく、わりとばらつきがちのようだ。
応募求人数の増加はネット環境と中途採用市場のインフラが整った証
応募求人数が増える裏にはどのような事情があるのだろうか。その代表的な理由としてはインターネットの普及が考えられる。上のグラフは過去5年以内に転職した人たちの分布図だ。一方で10年以上前に初めて転職した人たちのデータを集計すると実に6割近くの人が「1社」だけの応募であり、「11社以上」は全体の4%に満たないという結果となる。
ほんの10年前まではインターネット環境も今ほど整っておらず、転職サイトや人材紹介サイトも少なかった。当時の転職する際のルートと言えば、縁故やヘッドハンティング、もしくは雑誌かハローワークなどが中心となっただろう。それに較べて、多くの人がPCを持ち、転職サイトや人材紹介などの求人情報を取り扱うサイトも充実し、大量の情報を簡易に取得できるようになった現在では魅力ある企業に出会える可能性も機会も格段に大きくなった。応募求人数のばらつきが増えているのは、求職者が自分自身の志向や環境に合わせた柔軟な転職活動ができるようになった証なのかもしれない。