採用の決め手は応募者自身の「プロジェクトX」

エンジニアが面接で専門的な話をする際、どのように説明すればITに詳しくない人事担当者に好印象を与えられるでしょうか?
中途採用の面接シーン、がんばっているのになぜか通らない……。そんな方はもしかしたら、採用する側の心理が分かっていないのが原因かも!
このコーナーでは、多くの転職者を面接してきた人事担当者に、「意外な評価ポイント」や心に残る面接エピソードを聞いてみました。次の面接に活かせるノウハウを見つけましょう!

  • 自動車部品メーカー人事担当服部 潤氏(仮名)

    回答者:自動車部品メーカー

    人事担当 服部 潤氏(仮名)

いままで、エンジニアを中心にさまざまな個性をもった人たちを採用してきました。中にはちょっと鼻持ちならないっていう人もいましたが、会社にとって必要な人材ならもちろん採用します。よく「人事担当者って自分の好みで採用を決めることがあるんでしょう?」と聞かれますが、それをやっていては自分たちの世界を狭めてしまう。まったく違うカルチャーを持った優秀な人材を受け入れることで会社に新しい風を起こすのが採用担当のつとめですからね。

とはいえ専門的なスキルだけで判断しているわけではありません。働いている限りはエンジニアであってもお客様と接しますから、コミュニケーション能力も重要です。むしろ、専門スキルは現場スタッフの判断に任せ、私たちは人間性の部分を最も重視するようにしています。

私が技術者を面接する際、判断基準にしているのは「技術の話で眠くならないか」。自分なりの『プロジェクトX』を持っている人の話って面白いんです。専門的な話でもその背景や目的、エピソードを交えて話してくれると、こちらもそのストーリーに引き込まれますし、素人なりに理解もできるんです。逆に、専門用語を並べたてて一方的に「あれやった、これやった」という自慢話をされたり、ポイントがずれた応答が続いたりすると、正直ついていけなくって眠くなってしまうケースが……。僕ら人事相手に的確にポイントを伝えられない人は、お客様の前でも"伝える"ことができない。もちろん自分をアピールすることも大事だけど、そういった「難しい自慢話」をしなくても、きちんとコミュニケートするだけで、その人の持つ実力って伝わっているんです。

あとは「どれだけ熱意が感じられるか」ですね。どんなにスキルが優れていても、わが社でそのスキルが活かせるかどうかはその人のやる気次第ですから。私が見るポイントは「その人の目の輝き」です。熱意のある人は目がキラキラしているものです。逆に「なんとなく元気がない人だな」という印象を与えたり、「この会社って職場の人と飲みに行くことが多いんですか?」といった質問が真っ先に出てくると、「そんなことが聞きたいの?」って逆に言い返したくなっちゃいます。

私が採用担当をやっていて嬉しいことは、何と言っても採用した人たちが生き生きと働いている姿を見ること。いい人生を送るお手伝いができたって感じられると、採用担当をやっていて本当よかったって心から思います。

私がグッときた”あの一言”

「学生のときから御社に憧れていました」

こう言っていただけると「それだけ入りたいと思っていてくれたのか」と嬉しくなりますね。もちろん、その一言だけで採用決定ってことはさすがにありませんが、強い思い入れを感じると僕自身も個人的に応援したくなっちゃうんです。


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