データベーススペシャリスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が認定しているIT業界の資格試験の一つです。
IPAは同試験の対象者について、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」と定義しています。
また、その役割は以下の通りです。
(1)データ管理者として、情報システム全体のデータ資源を管理する
(2)データベースシステムに対する要求を分析し、効率性・信頼性・安全性を考慮した企画・要件定義・開発・運用・保守を行う
(3)個別システム開発の企画・要件定義・開発・運用・保守において、データベース関連の技術支援を行う
(情報処理推進機構ウェブサイトより)
2015年春期の合格率は17.6%、IT系では難関試験
試験は多肢選択式の午前Ⅰ・Ⅱと記述式の午後Ⅰ・Ⅱが実施されます。そのうち、午前試験Ⅰは、以下の3分野から成ります。
・テクノロジ系
(1)基礎理論
(2)コンピュータシステム
(3)技術要素
(4)開発技術
・マネジメント系
(1)プロジェクトマネジメント
(2)サービスマネジメント
・ストラテジ系
(1)システム戦略
(2)経営戦略
(3)企業と法務
ただし、「応用情報技術者試験」や「ITストラテジスト試験」「ネットワークスペシャリスト試験」「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」「情報セキュリティスペシャリスト試験」といったIT系の高度試験に合格している場合、2年間は午前試験Ⅰが免除されます。 2015年春期のデータベーススペシャリスト試験は、全国で1万5,355人が受験し、合格率は17.6%と、決してやさしい試験ではありません。
オラクルマスターとデータベーススペシャリストの違い
データベーススペシャリストに近い試験としては、日本オラクルが認定する「オラクルマスター」があります。
データベーススペシャリストは特定の製品に依存しない知識を求められるのに対し、オラクルマスターはデータベース製品「Oracle Database」のスキルを認定する試験です。オラクルマスターには4レベルあり、もっともやさしい「ブロンズ」レベルであれば、IT技術者としてキャリアをスタートさせたばかりの人でも目指すことができます。一方、データベーススペシャリストは運用管理や情報分析、プロジェクト管理のスキルが求められ、問われる知識の幅が広い分、データベース技術者として一定の実務経験のある人が受験者の中心になっているようです。