「CSS(Cascading Style Sheets)とは、ウェブページの見栄えを定義するための言語としてよく使われるものです。CSS3はその最新版となります。
ただ、CSS3が最新版といっても、従来のCSS1、CSS2、CSS2.1とは互換性があり、CSS3で書かれたウェブページにCSS2での記述が混ざっていたとしても問題はありません。CSS3では、これまでのCSSにはなかった機能が追加され、より便利になりました。
新しく追加された機能としては、「画像を使わずに角の丸い枠を作る」「文字やボックスに影をつける」などがあります。シンプルな記述で多機能が実現できるようになった分、ウェブサイトそのものも軽くできます。
一部の古いブラウザでは、CSS3をサポートしていない
CSS3の問題点としては、Internet Explorer6から8のような古いブラウザでは、サポートがなされていないということです。そのため、HTMLによる文字ベースの情報は同じだとしても、FirefoxやGoogle Chrome、Safari、OperaのユーザーにはCSS3を利用して、よりリッチなビジュアルデザインや機能が提供可能ですが、古いブラウザを使っているユーザーには、以前のバージョンを使って、最低限のデザインや機能を提供することになります。こうした考え方を、「プログレッシブエンハンスメント(Progressive Enhancement)」といいます。
CSS3は、先に述べたようにCSS2.1 など以前のバージョンと互換性があるので、CSS2.1などで書かれたコードのなかに、CSS3の新しい機能を追記して、最新ブラウザを使っているユーザーにのみ対応させることが可能です。ただし、CSS3に対応していないブラウザでも、単にCSS3部分の記述が無視されるだけで、それ以外は正しく表示させることができます。
スマホ向けの開発が進む中で、CSS3を身につけて損はなし
また、CSS3とHTML5、この2つがセットで語られることが多くなっています。HTML5というのは、ウェブを記述する言語であるHTMLの最新バージョンのことです。
しかし、これらは必ずセットというわけではなく、本来は別々のものです。そのため、HTMLの旧バージョンであるHTML4.0のウェブサイトにCSS3で記述することも可能です。
CSS3は、IT業界でエンジニアとして転職するためにマストな知識というわけではありません。ただし、iOSやAndroidなどスマートフォン向けの開発のシェアが増えており、これらの端末にデフォルトで搭載されているブラウザはHTML5とCSS3での実装が進んでいます。そこで、先に出たHTML5とともに身につけておいたほうがいい知識であると言えます。
しかし、CSS3は以前のバージョンと互換性があります。なので、もしすでにCSSに関する知識を身につけている方であれば、CSS3で新たに導入された部分のみを身につけるだけで、最新バージョンのキャッチアップが可能になります。