「LAMP」とは、OSであるLinux、WebサーバであるApache HTTP Server、データベースであるMySQL、スクリプト言語であるPerl、PHP、Pythonの頭文字を組み合わせた造語で、データベース連動型Webアプリケーションを開発するのに人気が高いオープンソースの組み合わせのことを指します。
ちなみに、データベースにPostgreSQLを使う場合は「LAPP」といいます。これらはすべてオープンソースですから、もちろん無償で公開されています。初期導入のためのコストを低く抑えられるので、世界中で広く導入されています。
LAMP、それぞれの実績
(1)Linux
LinuxはOSの1種で他のOSとくらべて性能の低いコンピュータ上でも軽快に動くのが強みです。ネットワーク機能やセキュリティに優れており、非常に安定しています。世界のスーパーコンピュータのOSシェアの98%を占めており、インターネットサーバ、国際金融取引、学術機関、さらには近年Android端末やデジタル家電などの組み込み機器のOSなど、あらゆる用途に使用されています。
Linuxはフリーソフトウェアとしてソースコードが公開されており、近年も、世界中のボランティア開発者たちの手によって改良が重ねられています。
(2)Apache HTTP Server
Apache(アパッチ)は動作が安定しているWebサーバとして、現在最も人気の高いサーバのひとつです。Apacheは、異なる環境や多種多様なプラットフォームでも動作するように、柔軟性のある設計を取り入れているのが特徴で、さまざまなOS上で動作が可能です。
Apacheは、Apacheソフトウェア財団のApache HTTPサーバプロジェクトによって、世界中のボランティアのプログラマたちによって日々進化しています。
(3)MySQL
MySQLは、スウェーデンの企業MySQLが開発したRDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム)。オープンソース・ライセンスと商用ライセンスの両方が配布されています。日本ではPostgreSQLが人気といわれていますが、海外ではMySQLが多く普及しています。
大規模な開発にも採用実績が多数あり、通信社のAP通信、同じくアメリカのケーブルTV業者のCox Communicaions、日本では楽天もMySQLのユーザです。
(4)Perl、PHP、Python
PerlはWeb・アプリケーション、システム管理、テキスト処理などのプログラムを書くのに広く用いられているプログラミング言語。PythonはPerlの影響を受けて誕生した言語で、スクリプト言語としても使え、大規模プログラムの作成にも適しています。Pythonは「Google三大言語」(C++、Java、Python)のひとつで、Facebookでも採用されており、日本では、livedoorやmixiが採用しています。
PHPは各種ポータルサイト、企業サイトなどで幅広く採用されており、他言語にくらべても習得が容易なことから、Javaに代わって利用される例が増えています。
フリーソフトやオープンソースというと、安定性や信頼性、サポートに欠け、業務用アプリケーションとして導入するには危険というイメージがあるかもしれません。しかし先述の通り、それぞれの分野では定番ともいえるもので、多くの有名サイトや有名企業が導入し、大規模なシステムでの採用実績があることから安心して使用することができます。