【第9問】どうやって決める?〜改善策実施のときのポイント〜

実践!問題解決力テスト」


【第9問】 どうやって決める?〜改善策実施のときのポイント〜

中堅インターネット広告代理店のtypeコーポレーションは、更なる企業成長のため、ここ2年ほど中途採用を活発に行っています。順調に社員数も増えてきています。一方で社員数が増えたことで、新しく問題も発生しています。それは、社員同士のコミュニケーションです。

今までは、社員数が少なかったため、口頭でのやり取り、昔からの習慣でスムーズにコミュニケーションをとることができました。しかしながら、当たり前ですが新しく入社した社員には昔からの習慣は通用しません。

さらに人数が増えたことによって、口頭でのコミュニケーションでは、「言った。言わない。」「聞いた。聞いていない。」というコミュニケーションロスが起こり、結果的にスケジュール通りに仕事が進まなかったり、ミスに繋がるということが増えていました。

そこで、加藤課長は、新しい社内システムの導入を導入を考えました。具体的には、営業が広告を受注してから、実際にweb上で広告掲載がスタートするまでの進捗や必要な情報を一括で管理するシステムです。加藤課長は現場でより使いやすいシステムの導入に向けて、まず各部門の現場社員に現在の問題点や要望を細かくヒアリングしました。

各部門からは「この情報をシステムで管理できればいいのに」「社外からも確認できるようにしてほしい」「締め切り前に自動でアラームが流れるようにしてほしい」「自動で計算できればいいのに」など、たくさんの要望が集まりました。

加藤課長は、全ての要望を集計してビックリしました。項目にするとなんと250項目もあったのです。加藤課長は困ってしまいました。なぜかというと、全ての要望を実現することは難しく、またできる限りの項目を実現した場合には莫大な費用がかかってしまうことが予想されます。各部門からでた要望はどれも重要そうです。

さらに加藤課長自身、新しいシステムの導入は初めてで、どの機能を搭載すると費用が高くなるかという知識はありません。

【質問】さて、加藤課長はどのようにまとめていけばよいでしょうか

1.内容を分類、優先度の高いものから実施する
2.まずベンダーから見積りをとり、予算内で調整する
3.部門ごとに予算を割り振り、枠内で各部門に決めてもらう
4.一番重視する部門を決め、その部門を中心に設計する

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ポイント

判断する軸を設定し、検討すべきことを整理する。
その後、全体から見て一番最善の形を実現できる判断をすること


正解は 内容を分類し、重要度でランクを分け、優先度の高いものから実施すること

今回の問題で、加藤課長がより良いシステムを実現するために行うべきことはなんでしょうか。

今回のポイントは多くの要望の整理、項目精査です。今回のケースで言えば、導入するシステムを使う現場は複数部門に亘り、各部門重要視することや立っている視点が違います。そのため、各部門の要望を全て実現しようとすると複雑なシステムになってしまううえ、莫大な費用がかかってしまいます。

そこで、各部門から集まった要望で、今回のシステムに搭載するもの、しないものの精査が必要になります。だからと言って、項目を精査する際、加藤課長の目線だけで判断してしまうと偏った視点になり、誤った判断をしてしまうことがあります。このような場合は、一つの手段として表によるプロットという方法があります。

例えば「重要度」「開発にかかる費用」という2軸を判断する軸として設定します。その表の中に各部門からの要望をプロットします。その中でエリア別にシステムに搭載する優先度を設定しておき、優先度の高いものからシステムに搭載します。後は予算によってどこまでの要望を反映できるか、ということになります。



今回の問題では、2や3を選択した方も多かったのではないでしょうか。
2の回答は、場合によっては一つの方法でしょう。しかし、この手法をとってしまうと予算重視の設計になってしまい、結果的に何も改善されないシステムが出来上がってしまう可能性があります。この方法で行う際は、「何を目的にしているのか」「どうなれば成功なのか」を常に意識する必要があります。次に、

3の回答ですが、この方法では非効率です。例えば、部門Aと部門Bが同じ要望を持っているときです。2つの部門からでた要望の開発コストをどちらが負担するかということで、もめてしまう可能性があります。「部門Aの方がこれに関してたくさん使うから費用を多く負担してほしい」と部門Bが言ったとき、両者が納得する回答を提示できるでしょうか。とても難しい問題です。よって、この方法はふさわしくないといえます。

このように仕事を進める上で、関わる部門や人数が増えると、視点や立ち位置が異なり、まとめることが難しくなります。

その状況をまとめるには、全ての部門が同意するような明確な判断基準を設定することが重要です。みなさんもぜひ試してみてください。

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