2018.03.07
ヒットメーカーの未来予測2016【動画付き】
朝の情報番組『スッキリ!!』や、『STORY』『DRESSなどの有名雑誌、『レイビームス』をはじめとする人気ブランドを生み出してきた仕掛け人たちの「仕事に対する考え方」の共通点とは?4回に渡ってお届けするスペシャル座談会、第3回。
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【プロフィール】
株式会社アブリオ 代表取締役/C Channel株式会社 取締役
三枝孝臣1989年に日本テレビ放送網に入社し、プロデューサーとしてバラエティや情報番組など全てのジャンルで数々のヒットコンテンツを世に送り出した。2014年に『Hulu』制作部長、インターネット事業担当部次長を経て、独立。2015年、新たにメディアデザイン事業会社、株式会社アブリオを設立。同時にC Channel株式会社取締役に就任
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株式会社「編」代表取締役社長/『DRESS』エグゼクティブプロデューサー
山本由樹光文社で『女性自身』の編集者を16年担当。2005年には『STORY』の編集長を務め、その後2010年より『国民的美魔女コンテスト』を開催し美魔女ブームを仕掛ける。現在では株式会社giftを設立し、月刊誌『DRESS』を創刊
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株式会社ビームス ビームス創造研究所 シニアクリエイティブディレクター
南馬越一義1984年に株式会社ビームスに入社。メンズカジュアルのショップスタッフを経て、ウィメンズ店舗『レイビームス渋谷』の店長へ。その後、1989年には『レイビームス』レーベルのバイヤーとして数々の功績を挙げる。2004年、ウィメンズ全体のクリエイティブディレクターに就任。現在様々なバラエティ番組やコンテストでコメンテーターや審査員を務めている
「やらない」という選択はしない。その先のチャンスを損失しないために
――前回のお話しでは「めげない」「諦めない」という言葉が印象的でしたが、みなさんにも「これはやらない」と決めていることなどはあるのでしょうか?
南馬越 「やらないと決める」こと自体をやらないようにしています。というのも、僕はいただいた仕事に関してはなるべく断らないようにしているんです。いろんなことをやってみたいですね。
山本 僕もまったく一緒ですね。能力の問題でやれないことはあるんですが、やれることなら何でもやりたいと思っています。
三枝 実は僕も一緒なんですよね。やらないと決めてしまうと、自分の枠組みも決まってしまうので。若い頃であれば「俺は絶対こうはならない」なんて突っ張ったりはしたかもしれませんが、与えられた状況の中でやっていくことで積めた経験もありますしね。自分の枠組みを決めてしまうことで、本来考えられたことを考えられなくなってしまったり、出会えるはずだった人と出会えなくなってしまったりすることの方が損失が大きいですし。
――では、今気になっているサービスやビジネスなどはありますか?
南馬越 お二人が関わっているようなWEBメディアには興味がありますね。eコマースだけで販売してるブランドを担当しているので、これまで主流だった紙媒体とは違う所で販促活動をしたいな、と。SNSやキュレーションメディアはもちろん、最近は動画が気になっていますね。ファッションと動画という組み合わせの難しさはあると思いますが。
三枝 正解がない分、可能性はあると思いますよ。
南馬越 どんどん新しいサービスが出てきておもしろいですよね。だから、気になったサービスを扱っている方々とは、とりあえず会って話してみるんです。
――山本さんはいかがですか?
山本 サービスではないのですが、コンテンツを作る側から見てもすごいなと思うのは『BABYMETAL(ベビーメタル)』です。インパクトがありますよね。「メタル」と「アイドル」という全く異なるジャンルのものを融合したことで、世界中が魅了されている。この企画力ってすごいですよね。
三枝 シンプルなものとシンプルなものを組み合わせると、大きな可能性が生まれる感じはしますよね。
――三枝さんは何か気になっているものはありますか?
三枝 『Uber(ウーバー)』がもっと日本で使われるようになるといいなと思います。アメリカでは使われているサービスが、日本にはなかなか入ってこない場合があるので。『NowThis(ナウディス)』という分散型のメディアや『VICE(ヴァイス)』というメディアも、生まれはアメリカですよね。『MTV』も『CNN』もそうですし。メディアビジネスを日本で生み出すことの難しさを感じますね。
夢のアイドル計画から都市のカルチャー再発見まで、これから流行るもの・流行らせたいもの
――みなさんが今後新たにやってみたいことってありますか?
山本 ショートカットだけのアイドルグループ作りたいですね。C Channelさん、一緒にやりませんか?
三枝 いいですね、おもしろいですね。
山本 ショートカットの女の子しかいないアイドルグループ『ショートカッツ』って。半分冗談ですけど、実現できたらおもしろいなって。
南馬越 僕は最近日本各地を回ることが多いので、今後九州の若手の職人やメーカーを集めた新しい物産展のようなものをやりたいな、と企画中です。アメリカだと、ニューヨークだったりロサンゼルスだったりポートランドだったり、その土地ごとにカルチャーがあって、そこから世界的なビジネスが生まれたりする。日本でも地方のカルチャーがもっとフィーチャーされるようになって、他の土地の人にも影響を与えられるようになればと考えています。
――三枝さんはいかがですか?
三枝 沖縄の離島でグランピングがやりたいですね。日本のおいしいもの食べながら、ゆっくりする体験を世界中の人にしてもらえる施設が作れるといいな、なんて。夢ですけどね。
――もうひとつお伺いしたいんですが、これは今後流行る!と思うもの、何かありますか?
三枝 これからはもっといろんなものがインターネットに繋がっていきますよね。先日ダイソンの扇風機を買ったんですが、アプリを使うと部屋の空気の汚れを可視化してくれるんですよ。
山本 モノのインターネット、といわれているやつですね。
――南馬越さんは、何が流行ると思いますか?
南馬越 流行ると思うというよりも、流行らせたいと思うのが、コリアンHIP HOPです。韓国のアイドルは、すでに日本でもよく取り上げられていますよね。でも、HIP HOPはなかなか耳にしない。Apple Musicにはコーナーがあったりするんですけどね。今、日本でもHIP HOPが盛り上がっているところだと思うので、韓国のHIP HOPにとても興味がありますね。
山本 僕は、東京ブームがくると思ってるんですよ。2020年に東京オリンピックがある、というだけでなく。地方のカルチャーを発信するような「地方創生」は注力されやすいですが、じゃあ東京ってどうなの?と思うんです。東京とはどんな場所だ、というアイデンティティーが、知らず知らずのうちに失われているような気がするんですよ。東京発の情報はたくさんあるかもしれない。でも、東京そのものが語られることってあまりない。これからくるであろう東京ブームのために、僕がやれることを考えています。
この記事の内容は、動画で詳しく見ることができます
※このコンテンツは、2016年にtypeメンバーズパークに掲載された動画を新たに記事化したものです。
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