【東海オンエアてつや】平凡な少年は、なぜ“天才”になれたのか。誰にでもできる突き抜け方
チャンネル登録者数560万人超、総再生回数70億回以上を誇る6人組YouTuber・東海オンエア。そのリーダーを務めるてつやさんが、初のエッセイ本『天才の根源』を上梓した。
ユーモアあふれる企画力が評価される東海オンエアのリーダーということもあり、世間からは「天才」と称されることも多いてつやさん。しかし、彼は自身の少年時代を振り返って「自分は“嫌になるくらい普通”だった」と笑う。
彼はどのようにして“普通の少年”から脱し、“自分ブランド”をつくってきたのだろう?
「自分は何もできないやつ」でも、悲観的にはならなかった
今やトップYouTuber、絵に描いたような人気者ポジションに君臨する東海オンエア。しかしてつやさんは、自身の少年時代を「僕はもともと自分のことが嫌いになるくらい、普通の少年でした」と振り返る。
「小学生って足が速いとか、分かりやすく何かに秀でているやつがモテるじゃないですか。でも、僕は勉強においても、運動においても一目置かれるような存在じゃなかった。
その上、無邪気にはしゃげるタイプでもないし、女子に話しかけられただけで顔が真っ赤になる。だから、クラスの中心にいる人気者、“自分よりも上の人たち”と比べては『自分は何もできないやつなんだ』と劣等感を抱いていたんです」
そう語る一方で、「どうせ俺なんか」と悲観的になることはなかったという。
「負けず嫌いだったので、自分よりもすごい人を見るたびに『自分も一目置かれたい』という気持ちが蓄積されていきました。当時は、誰かのすごい部分を見つける度に、ハンカチを噛むかのように、マジで悔しがっていましたから(笑)」
そんな悔しさを人知れず抱えていたてつやさんは、何気ないことがきっかけでトンネルを抜け出すことができた。
「僕の突拍子のない行動が、クラスの中心にいる男子にウケたんですよ。それを経験しちゃった以上、もう突き進むしかないなと思って。“男子にウケるおもしろいやつ”というポジションで一目置かれることに成功しました。
女子には引かれることもあったんですけど、もともと女子人気なんてゼロだったので(笑)。『女子からもモテないし、面白くもないやつ』でいるなら、『ただの面白いやつ』の方がいいじゃんって気付きました。この時に『自分は自分のままでいいんだ』と思えたんです」
それから、自分が思う「面白い」で周囲の注目を集めることに快感を覚える中で、YouTubeに出会った。一本動画をアップするたびにメンバーの間で笑いに包まれる。その延長線に今があるという。
「僕のやってる普通じゃないことって、センスなんか必要なくて、誰にでもできること、気持ち一つでできることなんですよね。だって、僕ら撮影も編集も、学ばずに始めてますから。最初は引きつった顔しながら、動画を撮ってたやつが、だんだんと緊張しなくなって、それなりに撮れるようになった。これは特別なセンスとかじゃなくて、慣れただけ。
だから大体のことは『やってりゃ何とかなる』精神でやってます。飛び込む勇気がいることだとは思いますよ。でもね、普通でいるのと、そこから抜け出すために飛び込む勇気を振り絞ること、どっちがマシか。人生ってその2択を選ぶだけだと思います」
天才を目指すには、行動と継続あるのみ
かつて普通の少年だったてつやさんだが、YouTubeに表れる豊かな発想力が評価され、今では“天才”と称されることも多い。そのような世間の声に彼は「一理ありますね」といたずらっぽく笑うが、「いいなと思うことをマネしているだけ」と謙虚な一面も見せる。
「世の中で天才と言われる人って、何もかもができるんじゃなくて、『天才的な部分があるだけ』だと思うんですよね。僕はそういう人たちのいいなと思う部分をマネして、考え方を蓄積していっただけ。特別な能力は持っていません。
多分ですけど、ピカソも意外と普通の人間じゃないかなって思います。ただ得意なことを突き詰めていった、普通の人。だからね、誰だって天才になれるんですよ。まずは誰かの天才的な部分を真似することからじゃないですかね」
「誰だって天才になれる」そう話すてつやさんが、かつて“普通の少年”だったからこそ妙に説得力がある。そんな彼に「普通から抜け出したい人」へのアドバイスを聞いてみると「行動力と継続力」が大切だとアドバイスしてくれた。
「さっき話した『やってりゃ何とかなる』が行動力だとしたら、それを続けることも大事だと思います。昔、YouTubeのドラマで共演した俳優さんが40手前になって、急に日の目を浴びたんです。その理由を聞いてみたら『周りの人がみんな辞めてく中で、続けてたらうまくいった』って。そういう風に勝手に周りがこぼれ落ちて、チャンスが回ってくることもある。なるほどな、と感心しましたね」
てつやさん自身も、7年間毎日のように動画を上げ続けている。その「続ける」モチベーションの根源は「楽しいから」とシンプルだ。
「毎日違う動画を撮っていますから、毎日が楽しいんですよね。最初の頃は、動画を上げること自体が新鮮で楽しかったですし、その後は編集をしたり、新しい機能に触れたり、コメントが1件来るようになったり、1日で再生回数1万回行くようになったり……」
「何ていうか、新しい喜びが絶えなくて、それが楽しくって、気付いたら続いていただけなんです。だから、とにかく自分が『これをやったら楽しいんじゃないか?』と思うことを行動に移して、面白がり続けるっていうのが大事なんじゃないですかね」
東海オンエア・てつやとしての価値は「ブラさないこと」
いつでも自然体、自分が楽しいと思えることに向かって行動を続けてきたてつやさん。彼自身は、“東海オンエアのてつや”の価値を高めるため、心掛けていることが一つだけあるという。
「知名度が上がれば上がるほど、勝手にモテ始めちゃうって、あるあるですよね。でも、モテ路線になびかないように! ということは意識しました(笑)
ベタな言葉になっちゃうんですけど、人気が出たからこそ芯をぶらさず、いかに自分たちの価値を研ぎ澄ますか、グレードアップさせるかが大事だと思います。もちろんニーズに的確に飛び組んで行くのも大切だとは思うんですけど、『自分たちの“面白い”を自由に突き詰めていくのが東海オンエア』というのは変えないことにしているんです」
「芯をぶらさない」――何かを極めた人の中には、彼と同じように強い信念を持つ人も多いが、容易なことではない。なぜ、彼らは甘い誘惑に乗らないのか、てつやさんは笑ってこう話す。
「テレビに出たからといってタレント業で行きたいわけでもないし、本を出したからといって作家になりたいわけじゃない。チームのみんなで考えて、自分で撮って、自分で出て、自分で編集して。いまのところ、YouTube以上に何でもできる自由な場所ってないから、誘惑に乗らないんです。これからもYouTubeを主軸に、飽きずに楽しめたらそれでいいと思ってます」
取材・文/於ありさ 撮影/吉永和久
書籍情報
人に優しく、自分にもっと優しく。バカと天才のハイブリット、てつやの哲学
『天才の根源』(KADOKAWA)10万部突破、好評発売中!
チャンネル登録者数550万人超え、総再生回数70億回以上。怪物的人気を誇る愛知県出身のスター「東海オンエア」のリーダー、てつやの初エッセイがついに誕生。
カメラの前で唯一見せられなかった、「内面」をついに公開。怪物的人気、東海オンエアリーダー・自堕落なカリスマの初エッセイ!
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