コンサルタント未経験者であっても通用する志望動機とはどのようなものでしょうか。コンサルタントの志望動機を書く上で知っておきたい仕事の内容や種類、そして押さえておきたいポイントをお伝えします。
コンサルタントの仕事とその種類
コンサルタントを希望職種とするのであれば、コンサルタントとはどのような仕事内容であるのか、また、コンサルタントにはさまざまな種類があることを知る必要があります。ここではこの2点について述べていきます。
コンサルタントの仕事内容
コンサルタントとは、顧客である企業や個人の事業に関し、問題点の発見と解決策の提案を行い、経営や環境の改善の手助けをする仕事です。さまざまなアプローチを用いて最終的には顧客の利益を向上させることが目標です。そのために事業計画やビジネスプランの作成を通じて経営革新の支援を行ったり、人材による組織の活性化につなげたり、幅広い提案を行います。時には創業自体の支援を行うこともあります。顧客は自社の問題点に対して解決策が見いだせない、または問題点そのものが見つけられない、もしくは認識している問題点と真の問題点が異なっているなど、多種多様な問題を抱えてコンサルティングを依頼します。コンサルタントはその解決を業務としているのです。
コンサルタントの種類
顧客を総合的にコンサルティングするコンサルタントがいる一方で、それぞれの分野に特化したコンサルタントも存在します。経営コンサルタント、戦略コンサルタント、財務・会計コンサルタント、人事コンサルタント、不動産コンサルタント、医療コンサルタント、ITコンサルタントなどがそれにあたります。いずれもその特化された分野から顧客の問題点の発見と解決策の提案を行います。
コンサルタントの志望動機を書く上で押さえておきたいポイント
コンサルタントを志望する上で、なぜコンサルタントという仕事を選んだのか、自分の経験や知識をどう活かせるのかをアピールすることはもちろん大切ですが、コンサルタント会社ではこれらの事柄について相手にきちんと伝わるように言葉にできているかどうかが重要です。自分の想いや経験や知識を正しく分かりやすく「相手に伝わるように伝える」技術を持った人物かどうかが問われているということです。よく言われているようにコンサルタントという仕事は論理的思考を重視しますが、「相手に伝わるように伝える」ための手段が論理的思考なのです。基本は「〇〇だから△△である」または「△△であるのは〇〇だからだ」という伝え方です。具体的には以下3項目に重点を置いて順序立てて志望動機として組み立てていきます。
強みが伝わる内容になっているか
まず、自分の強みが何であるかということとその強みを正しく相手に伝えるという2点から考えていきましょう。営業職経験者であれば、それまで自社の製品やサービスを販売してきたわけです。顧客が抱える問題点や課題を自社製品やサービスで解決もしくは改善しようと提案する経験を積んできていることは強みの一つです。問題を発見したり掘り起こしたりする能力や解決策を提案する能力を持っていることを自身の成功例を交えて提示します。また、自社製品やサービスでの営業活動において、正直なところ他社製品やサービスの方が適しているかもしれないと思う場面に遭遇したこともあるでしょう。もちろんそのようなことを実際にはできなかったでしょうが、顧客の利益のためには自社製品やサービスに縛られない発想や想いをもっていることも大きな強みです。葛藤した具体例を挙げてアピールしていくことで相手に伝わりやすくなります。
なぜそのコンサルタントなのか
さまざまな分野に特化したコンサルタントが存在する中で、なぜそのコンサルタントを志望するのかを明確にします。自分の得意分野や経験した分野であれば、「それを活かして」という理由がつきますので比較的述べやすいでしょう。未経験の分野であれば、なぜその分野に興味を持ったのか、自身が持つ経験からその分野にたどり着いた経緯を考えてみましょう。きっとそれは「この分野の経験さえあれば」であるとか「この分野からのアプローチができればもっと顧客の手助けができるのに」ではなかったでしょうか。経験者はとかく経験によって「無理だ」という限界を作ってしまいがちな一方で、未経験者は未経験の分野だからこそ柔軟な発想を生むことがあります。その点を強調し、「未経験の経験」を活かしていくことを述べていきましょう。
なぜその企業なのか
コンサルタントを抱えるコンサルティング会社は世の中にたくさんあります。その中で、なぜその企業を志望したのか明確にしなければなりません。実際には勤務地はどこか、給料はいくらで休日は何日あるかなどを基準にして選ぶのかもしれません。もちろんそれをそのまま志望動機とするわけにはいかないことはお分かりでしょう。ではどのようにしたら良いのか、それはその企業の特徴からアプローチすることです。たとえば「業界トップのシェアを占めている」とか「未経験者が多く活躍できている」とか「中途採用組が組織のトップに多くいる」などです。と言っても(よほど特殊な特徴でない限り)、その特徴にいかに惹かれたかということは求められていません。相手はあなたがコンサルタント会社を複数受けることは想定済みなのです。肝心なのはその企業をよく研究しているということです。相手が見たいのは、その観察力と分析力そして「なぜその企業なのかを伝える」技術なのです。