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東証マザーズ上場を果たし、ますます急成長を遂げるミクシィ。同社では今年7月、ODFと呼ばれるユニークな制度が導入された。その意図を最高技術責任者バタラ ケスマ氏に聞く。
「ODF制度は、『技術の変化や、経営環境に打ち勝つスピードを得る』という当社の目標を実現するひとつの手段として導入しました。エンジニアは仕事をしながら、様々なアイディアを思いつくもの。そうした閃きを日々の業務に追われることなく研究することで、新しいサービスの実現につなげるのが狙いです」
この制度を導入して2カ月が経過した今、早くもいくつかのアイディアが実現の方向で検討されつつある。ほか、労働時間の短縮による作業効率の向上が見られ、開発現場におけるメリットは大きいようだ。 しかしこの制度が単なる遊びに費やされる危惧はないのだろうか。
「エンジニアがもっとも創造性を発揮するのは、新しい技術やいつもと違う方法をあれこれ試しているとき。そうした知的な遊びのなかから新しい“なにか”が生まれることを期待しています」 |
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日頃は業務優先で腰を据えて取り組むのが難しい新技術の修得や、新サービス実現に向けての試行錯誤も、ODFを活用すれば可能だ |
ODFとは「One Day Free」の略で、1週間(5営業日)のうち1日を主力事業以外の自由な研究に使える制度。2006年7月から開発部門を対象に運用が開始された。
ODFの日は、机に「I love ODF!」の旗を立てる。研究の目的、内容、必要な期間について事前申請を行い、上長が承認する。また進捗の報告が義務付けられており、その内容は四半期ごとのコミットメント(個人目標)にも組み入れられ、評価の対象となる。
バタラ氏自身が技術者だからこそ実現した、まさに技術者がその真価を発揮するうえでの有用な制度といえそうだ。 |
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