聞いてもらえる工夫をしてみよう
あなたはちゃんと人の話を聞いていますか?
なんだかとても失礼な見出しでのスタートですが、改めて人の話をちゃんと聞いているかと訊ねられるといかがでしょうか?
正直なところ、興味のない話を長々と聞かなければいけない場合はとても残念な気分になります。しかし、そこは大人ですから、グッと堪えてお話に耳を傾けます。。。が、やはり睡魔には勝てないのです。ということで、つまらない話をしてしまうと、会場は安らかな眠りに包まれ、お話している身としては「もうみんな寝ちゃってるから、このへんで!」と逃げるように話を終えてしまいたい衝動との戦いとなります。
ここまで壊滅的な状況には幸いにもなったことがないのですが、やはり「外した」感があるときは会場にシラケムードが漂い、心の中で笑いの神が降りてこないかと願ったりしてしまいます。
ちゃんと人にお話を聞いてもらえるためにはどうすればよいのでしょうか。今回はこの課題について取り組んでみようと思います。
「聞きたい話」とは?
まず、どんな人でも聞いてもらえる話とはどんなものがあるでしょうか。例えば「誰でも簡単に得する話」とかはどうでしょうか?あまりにも胡散臭いとそもそも聞いてもらえませんが、多少キナ臭い程度であれば、多くの人が気になってくれるように思います。他には「明日から使える」とか「友達に自慢できる」とかも聞いてもらえそうです。
逆に誰も聞いてくれない話はどんな内容でしょうか?最初から最後までずっと説教とか、一人を吊し上げ、コーナーに寄せつつフルボッコとか。考えただけでぞっとします。
人が聞いてくれるか、聞いてくれないかというポイントで考えてみると
- ・聞く人にメリットが有ると聞きたくなる
- ・聞く人にデメリットが有ると聞きたくない
という単純な法則が思いつきます。
他の側面も考えてみましょう。
短い話と長い話、何だかわけの解らない話と理解しやすい話。オチが解っている話と何が言いたいか解らない話。笑える話と笑えない話。
少なくともポジティブな傾向の話とネガティブな話であれば、ポジティブな傾向の方が好まれるのではないでしょうか?
お話を聞くのが上手な方もいらっしゃいますが、聴講者全員がそうではないので話を聞くことは少なからず「耐える」という側面があります。つまり、お話をする側があの手この手で苦痛を和らげることについて取り組めば、今よりもっと人は話を聞いてくれるのではないかと思います。
「面白い」話をするためのコツ
面白い話をいきなりするのはとても難しいです。しかし、準備をしっかり行っておけば、少なくとも人が聞いてくれるお話をすることは可能だと思います。
筆者がお話をするときには以下の点に気を配るようにしています。
- ・強い共感を引きだす
- ・ポジティブな雰囲気を醸しだす
- ・「すぐに」「簡単に」「誰にでも」
まず「強い共感」ですが、これは言い換えると「誰でも納得できること」です。これを重ねることで、共感を増幅させることができます。私の場合は、プレゼンテーションの冒頭などで使っています。
このスライドは私のセミナーで実際に使っているものです。冒頭でこのように共感を引きだす工夫をしております。
例えば「こんな悩み有りませんか?」と書いて、よくある質問を書きます。あまり奇をてらわず、よくあることを書くのがポイントです。
これにより、話者と聴講者の間で「共感」による繋がりが生まれます。これがうまくいくと、一体感が生まれるので、聴講者の注意を引きつけられます。
次にポジティブな雰囲気を出すのは、細かい点に気を配ることで気をつけられます。例えば
パターン1「AとBとCの中では、BとCはお勧めできません」
パターン2「AとBとCの中では、Aがお勧めです」
言わんとしていることは同じですが、印象がまるで違います。
パターン1の場合は、話の流れとしてどうして勧められないかということを話すことになります。パターン2は逆で、どうしてお勧めかという話になるでしょう。つまり、パターン1の話し方をすると、その後もネガティブな言い回しが多くなってしまいます。ネガティブな話を面白くするのには、かなりの話術が要求されます。
その他にも筆者が気をつけているのは「問題」と「課題」という言い回しです。「?は問題です。」と言うと突き放した印象が残ります。一方「?は課題です。」と言うと前向きで、一緒に考えましょう!というような雰囲気になります。
最後に「すぐに・簡単に・誰にでも」は、これらの言葉を言えるようなオチを考えることを意味しています。
すぐにできそう、簡単に取り組める、誰にでもできる。聴講者の多くはこう言った「コツ」を欲しています。たとえ難しいオチであったとしても、どこかにこの要素を入れることで印象はガラリと変わって見えます。何か聴講者が直ぐに・簡単に・誰にでもできそうなお土産を用意してあげましょう。
では、ここまで説明したコツを使って話を組み立ててみましょう。