ギーク(geek)とは、あることに熱中している人、特にコンピューターやIT関連で卓越した知識を持つ人をさすアメリカの俗語です。日本語の「オタク」のように「サブカル愛好家」という意味合いは含まれず、「技術オタク」という意味合いに近いものです。
「ギーク」の語源はサーカス芸人
"geek" とは、サーカスやパレードなどの見世物で、ヘビやニワトリを食いちぎったり、昆虫を呑み込んだりといったグロテスクな芸を披露する芸人のことを指す言葉でした。また、シェイクスピアの時代のドイツ語"geck" (愚か者)に語源があるともいわれます。 1953年にプロレスラーのフレッド・ブラッシーが挑発の決め台詞に使うようになってから一般に知られるようになり、「サーカスの芸人」から転じて「社会に適応できない者」という意味でつかわれるようになりました。
一方、近しい表現で使われる英単語に「ナード(Nerd)」があります。こちらは、ITをはじめとする学問に熱中し、あまり社交的でない人を指す言葉で、ギークとは少しニュアンスが違うといいます。「ギーク」と呼ばれるのは嬉しいが、「ナード」は嫌という人も多くいるようで、比較するとナードの方は悪いイメージが強いようです。日本での「オタク」と「マニア」の使い分けのようなものかもしれません。
IT系女子「ギークガール」も登場!
また、「ギークとスーツ」という言葉もあります。IT業界において、ギークは比較的服装が自由なソフトウェア開発者やエンジニアなどを指し、スーツは事業の企画などマネジメント側で仕事をする人たちを指します。
ギーク族はスーツ族に対して「技術を分かっていないくせに」と感じ、逆にスーツ族はギーク族のことを「技術ばかりでビジネスを分かっていない」と、しばしば両者は対立関係に陥ることがあります。
また、「ギークガール」なんて言葉も登場しているようです。ギークガールとは、ネットを使いこなし、IT系のガジェットやアプリ、ゲーム、フィギュアなどに詳しい、サブカルチャーに精通しているオタクな女子のことを表現した言葉です。
最近では、さらにその意味合いも幅が広がり、便利なガジェットやアプリなどを自分のスタイルで使いこなせる、あるいは個性を生かした自分らしいファッションを楽しめるオタク気質の女性を指す言葉としても用いられるようです。また、英語圏では子どもとの工作や冒険を好む母親を指す「ギークマム」などという呼称も登場。ギークという言葉は、今後もどんどん定義が広がっていきそうです。