9月19日、世界10か国で米Appleの新型スマートフォン「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が同時発売されました。2007年の発売以来7年たっても、根強い人気を誇っています。
新世代iPhoneが前モデルと異なる点
「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が前モデルの「iPhone 5s」と異なる点としては以下のようなものがあります。
・iPhone 5sよりも薄い(iPhone5s:7.6mm、iPhone6:6.9mm、iPhone6 Plus:7.1mm)
・画面のサイズが大きい(iPhone6:4.7インチ、iPhone6 Plus:5.5インチ)
・Wi-Fiの通信速度がiPhone 5sと比較して最大3倍高速化
・iPhone 6とiPhone 6 Plusに内蔵されているApple A8チップは、A7と比較すると、体積13%小型化しており、CPU25%高速化、グラフィックは50%性能アップしている
バッテリーの持ちも、iPhone 5sと比べて改善されているようです。
次に気になるのは、iPhone 6とiPhone 6 Plus、どちらを選ぶかという点ですが、これは完全に好みの問題といえるでしょう。
小型サイズを選んで通話しやすく、ポケットに入れて持ち歩けるようにするか、画面が大きいものを選んで見やすさを重視するか。また、iPhone 6 Plusはカメラに光学式手ぶれ補正が搭載されているので、カメラ機能を重視する人はiPhone 6 Plusを選んだ方がよさそうです。
「ファブレット」人気は世界のトレンド
今回の新世代iPhoneの発表でやはり注目されたのは「ディスプレイの大画面化」という点です。これはやはり、ライバルとなるAndroid搭載の韓国サムスンの「GALAXY」シリーズなどが、次々に大画面モデルを投入しているからといえるでしょう。
「GALAXY」などのモデルは、iPhoneに比べて価格が安いことを武器に、新興国で大きなシェアを占めています。こういった国々では、ノートパソコンの普及の前にスマホやタブレットが一般化したため、スマホは「携帯電話」ではなく、「小型のPC」としての側面がより強く意識されています。そのため、大画面モデルが好まれるという背景があります。
米系の調査会社IDCも、タブレット端末や、スマートフォンの市場成長が鈍化している中で、唯一の成長カテゴリが「ファブレット」分野だとしています?。ファブレットは5.5インチ以上、7インチ未満の画面サイズの大きなスマートフォンのことで、フォーン(電話)とタブレットの中間であることから、こう呼ばれるようになりました。
デザインや商品戦略で独自路線を歩むAppleとしても、もちろんこうした世界的なトレンドは無視できるものではないでしょう。天才スティーブ・ジョブス亡き後の、ティム・クック時代のAppleがどういう商品戦略をとるのか、今後もその動向から目が離せません。